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雑記帳

ドイツ州議選・メルケル与党のCDUが敗北 緑の党・SPDが勝利

 令和3年3月14日に実施されたドイツ西部2州の州議会選挙で、メルケル首相の与党であるキリスト教民主同盟(CDU)がいずれも過去最低の得票率で敗北しました。

 今回の州議選は9月の連邦議会(下院)選挙の前哨戦ともいえ、政権維持を目指す保守政党であるCDUにとっては手痛いスタートとなりました。

 公共放送ARDの令和3年3月14日時点の得票予想によりますと、バーデン・ビュルテンベルク州(ドイツ南西部の州。州都Stuttgartベンツの本店所在地)では、環境政党である緑の党が、前回の平成28年選挙を上回る32%程度の票を集め、同州での第1党の座を守りました。
 第2党のCDUは、3ポイントを落とし、過去最低の24%ほどとみられます。

 同得票予測によりますと、ラインラント・プファルツ州(ドイツ中西部の州。州都Mainz)では、同州を牙城とする中道左派政党であるSPDが、前回の平成28年選挙とほぼ同じ35%程度の得票で第1党を維持しました。
 第2党のCDUは、5ポイントを落とし、過去最低の27%程度となったもようです。

 CDUの敗北は、マスク取引を巡って議員が利益を得ていたという不祥事が選挙直前に浮上した影響が大きいといわれています。

 長引くロックダウンやワクチン接種の遅れで高まっていた有権者の不満に火を付けたかたちです。
 ドイツの新型コロナによる死亡者は、多いときは、現在の日本全体の死亡者を1週間で上回るという数でした。公共の場所では、医療用マスクをつけることが義務づけられています。

 令和3年9月の連邦議会選挙は、4期16年の在任を経て引退を表明しているCDUのメルケル氏の次の連邦首相を決める選挙です。

 ドイツ全体の世論調査ではCDUの支持率はトップで、2位の緑の党を大きく上回っています。ただ、足元では支持率が下がり気味で、今回の敗北は秋に向けて不安を残す結果となりました。

 CDU党首に、令和3年1月就任したラシェット氏にとって党の立て直しが急務となります。ポストメルケルの最有力とみられている同氏だが、早くも正念場を迎えつつあるといえます。

 CDU/CSUは与党から脱落し、緑の党、SPD、中道政党である自由民主党(FDP)の連立内閣が成立する可能性が出てきました。

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