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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

中国、台湾のパイナップル禁輸

 中国政府は、令和3年2月26日、検疫で害虫を検出したことを理由に令和3年3月1日からの輸入停止を発表しました。

 習近平指導部は、嫌がらせによって蔡政権への反発が台湾で高まることを狙ったとみられます。

 中国が、自国に反対行動をする国に報復するのは珍しくありません。
 「威圧外交」といいます。

 日本は、平成22年に、中国人船長逮捕への報復のため、レアアースの禁輸措置をしました。
 日本は、WHOに提訴すると共に、レアアースの輸入先の多様化、レアアースを使用しない産業用モーターの開発などで、中国へのレアアースの依存度は平成21年の86%から平成27年に55%まで低下し、一方、中国のレアアース業界は平成264年に赤字を出すとともに、レアアースの価格が急落しました。
  また、WTOで敗訴した中国政府は、平成27年1月、レアアース輸出規制を全面撤廃しました。

 韓国は、平成29年に米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を配備して中国の怒りを招き、韓国への団体旅行をいきなり禁止し、Kポップ・グループの中国公演を中止させ、中国各地で百貨店を営む韓国の複合企業ロッテは、THAAD配備の用地を提供したとの理由から不買運動の標的になりました。平成29年の韓国の国内総生産(GDP)は中国による不買運動の影響で、0.5ポイント低下したとされています。
 韓国は、「三不の誓い」をさせられ屈服しています。中国は態度を軟化させ、不買運動は下火になりました。
 1 米国のミサイル防衛(MD)体制に加わらない。
 2 日米韓安保協力が三カ国軍事同盟に発展することはない。
 3 THAAD(サード)の追加配備は検討しない。

 スウェーデンは、中国共産党内の権力闘争や醜聞を暴いた書籍を扱う香港の書店経営者で、スウェーデン国籍を持つ桂民海氏を拉致し、中国で収監したことを批判して以来、様々な嫌がらせを受けています。

 カナダは、中国の通信機器最大手、ファーウェイの副会長兼最高財務責任者で、創業者の娘でもある孟晩舟容疑者を逮捕して以来、様々な嫌がらせを受けています。

 オーストラリアは、令和2年9月、モリソン首相が中国が神経をとがらせている新型コロナウイルスの発生源について独立した国際的調査を立ち上げるべきだと求めたため、様々な嫌がらせを受けています。
 ロブスターを禁輸したり、中国人留学生を送らないとしたりと幼稚です。

 台湾産のパイナップルの輸入が令和3年3月1日から禁止されました。
 台湾産パイナップルの輸出は、9割以上が中国向けです。収穫は3月からなので、台湾の農家は大打撃を受けます。

 輸入禁止の理由について、中国政府は「検疫で有害生物を検出したため」としてます。 しかし、中国のやり方からして、言い訳に決まっていますね。
 台湾当局者は、一番厳しい日本の検疫でも有害生物が検出されたとされたことはないのに、中国から言われる筋合いはないということです。
 もっとも「はい。そうですか」という相手ではありません。

 台湾の農業委員会(農水省)は、令和3年三月3日、令和3年の日本のパイナップル購買量が前年比約130%増(2.3倍の5000トンになるとの見通しを発表しました。
 中国が台湾産パイナップル禁輸を先月発表して以降、台湾は輸出の多角化や台湾内消費の拡大を図ってきました。
 全体でも大幅増の見通しで、蔡英文総統は日本など各国や台湾人に謝意を表明しました。

 台湾産のパイナップルを購入して、台湾を応援したいという人が多いのでしょうね。
 台湾産のパイナップルはフィリピン産のパイナップルの倍の値段がするそうですが、西友を中心に爆発的に売れているそうです。
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