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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

コンピュータにできることとできないこと

 天気予報は、私の小さいころはあまり当たりませんでした。
 下駄を飛ばして予想した方がよいと揶揄されることもありました。

 最近の天気予報は当たる確率が高くなりました。

 最近では、スーパーコンピューターを利用した数値予報がたいへん進歩をしてきました。

 気象庁や外国の気象機関(データは、国際的に交換されています)で観測されたデータは、数値予報を行うためにまずコンピュータで取り扱いやすいように、規則正しく並んだ格子で大気を細かく区切り、そのひとつひとつの格子点に気圧、気温、風などのデータをあてはめ、これを基礎(初期値)として、この初期値にさまざまな大気の現象を表現する数式をあてはめ、未来の大気の状態を計算するという方式をとっています。

 この計算にはスーパーコンピュータが使われ、この計算に用いるプログラムを「数値予報モデル」と呼んでいます。

 数値予報は、物理学の方程式により、風や気温などの時間変化を計算して将来の大気の状態を予測する方法です。
 
 数値予報モデルには、山岳などの地形の影響、太陽からの放射、地表面の摩擦、大気と地表面の熱や水蒸気の交換、雲の生成・消滅や降水などのさまざまな効果が考慮されています。空間を細かく格子状に区切って雲の量を計算し、それによって天気を予測する。この「区切り」が細かければ細かいほど、正確に予測できることになります。

 格子が、平成24年から、水平5キロメートルから水平2キロメートルになっています。

 スーパーコンピューターを利用した数値予報がたいへん進歩をしてきましたが、コンピューターにも得意でない分野があるそうです。

 規模の小さな(10kmより小さい)局地的な現象(雷雨、降ひょうなど)だそうです。

 なお、いくらスーパーコンピューターを利用しても、天気予報は外れます。
 まあ、普通の人にとってはご愛敬でしょう。

 それに比べ天体観測は、ちゃちなコンピュータ時代から正確でした。
 何年何月何日何時何分ころ○○で金環日食がみられ、次は、何年何月何日何時ころと正確に予報します。
 また、何年何月何日何時何分ころ○○で金環日食がみられたと過去のことも正確です。

 天気と違って、計算に入れる要素があまりありませんね。

 話はかわって、西暦0年は存在しません。紀元前1年の翌年は紀元1年です。
 紀元前99年の前年は紀元前100年、紀元99年の翌年は紀元100年にもかかわらずです。

 ちなみに紀元0世紀もありません。紀元前1世紀の翌世紀は紀元1世紀です。
 世紀が、数え年を計算するような錯覚をしてしまうのは、紀元0世紀がないからです。

 天文学における暦(Astronomical year numbering)では西暦0年を設定しています。

 具体的には西暦1年(元年)の前年である紀元前1年を「西暦0年」と置き替え、紀元前2年を負数で「-1年」と表現しつつ紀元前の年を1年ずつずらして用いています。
 「1」の次に「-1」が続く西暦をそのまま適用しようとすると「整数の原則」なるものに反してしまい、コンピューターを用いて日食など天文学的事象の演算をする際に不具合が生じるためです。
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