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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

医師国家試験、「4つ間違えたら即不合格」となる問題

 医師国家試は、医学部に進学した人に受験資格があり、近年の合格率は90%前後だそうです。
 逆に言えば約1割の受験生は不合格になり、1年後に再挑戦することになります。

 通常の試験なら、合格基準点を取れば合格だが、医師国家試験には特徴的なルールがあります。

 そのひとつが、学生の間で「地雷問題」「ドボン問題」と呼ばれることもある「禁忌肢問題」です。

 「絶対に選んではいけない」選択肢を4問以上選んでしまうと、たとえそれ以外の問題をすべて正解していても、不合格になってしまいます。

 令和元年から2日間で400問解答する方式になりました。

 試験問題は、疾患などの知識を問う「一般問題」と、患者の症例を示し、診断、検査、治療方法などを問う「臨床実地問題」に分かれています。
 それぞれに、研修医になるための最低限の知識を求められる「必修問題」、疾患をまたいだ横断的な知識が必要な「医学総論」、疾患などの知識を問う「医学各論」という小ジャンルが設定されています。

 そして平成9年からは、決められた回数以上選択すると不合格になる「禁忌肢」が導入されました。
 受験生にはどの問題のどの選択肢が禁忌肢かわかりません。

 ある病気が疑われる患者にやってはいけない治療や検査、使ってはいけない薬、病態を悪化させる初期対応、法令違反などが禁忌肢になっているようです。

 禁忌問題は400問中10問くらいだそうです。
 なお、400問の問題は、原則5つの択一ですが、正解は1つ、禁忌肢は1つだそうです。

 おそらく禁忌肢問題だと思うけれど、どれが禁忌肢なのかわからなくて怖いというときには、その問題のマークシートを塗らないという方法があります。
 自信がないのに塗って、禁忌肢を踏むよりはいいということです。
 禁忌肢を決められた数以上選んでしまうと即不合格ですが、あえてその問題に解答しなければ「禁忌肢を選んだ」ことにはならず、ただの1問ミスとして採点されます。

 ある程度自信があれば、明確にわからなければ、あえてマークしないということもあるでしょう。

 ただ、禁忌肢は、ケアレスミスをしそうな受験生の不合格の原因ともなりそうです。


 ちなみに、司法試験に禁忌問題、禁忌肢はありません。
 裁判官、検察官、弁護士が、単なるケアレスミスをしても人は死にません。
 裁判官、検察官、弁護士が、単なるケアレスミスをしても、誰でもケアレスミスはあることですから、あまり問題にはなりません。もっとも、あまりにケアレスミスが多いと、全体の信用性に疑問符がつくくらいです。
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