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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

格安SIM業者に自社番号を付与 総務省、通話料金競争促す

 報道された「見出し」は「格安スマホに自社番号を付与」となっていました。
 ただ、厳密には正しくありません。

 「格安SIM業者」のことを「格安スマホ」と呼ぶことがあります。

 スマートフォン自体は、2万円から15万円くらいまでありますが、各社の2万円から3万円の低価格のスマートフォンを「格安スマホ」と呼ぶことは一般的ではありません。

 高価格のスマートフォンを使って、「格安SIM業者」と通信契約を締結することもありますし、低価格のスマートフォンを使って、大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)と通信契約をすることもあります。


 通信設備を持つ事業者を、「MNO」(Mobile Network Operator=「移動体通信事業者」と呼びます
 日本では、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルの4社です。

 格安SIM業者とは、大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の通信設備の一部を借受けて提供される通信サービス業者です。
「MVNO」(Mobile Virtual Network Operator=仮想移動体通信事業者)と呼ばれています。

 広い意味での格安SIM業者には、Y!mobileと、UQモバイルを含みます。
 Y!mobileはソフトバンクの第2ブランド(サブブランド)、UQモバイルはauの第2ブランド(サブブランド)です。それぞれ、ソフトバンクとauの回線を借りています。

 狭い意味での格安SIM業者には、Y!mobileと、UQモバイルを除いた会社です。
 mineo、y.u mobile、OCN モバイル ONE、BIGLOBEモバイル、イオンモバイル、IIJmioなどがあります。

 格安SIM業者は、大手の通話回線とデータ回線を使ってサービスを提供していることは前記のとおりで、格安SIM業者が大手に支払うコストのうち、通話とデータの回線コストが7~8割を占めています。

 通話回線は、自前の番号を持たないため、接続ではなく相対で料金が決まる卸契約が慣行となってきました。
 通話回線は、総務省が、令和2年6月NTTドコモに卸値引き下げを促す裁定を出したことで、大手3社とも当時の半額程度まで下がったとされています。

 格安SIM業者と大手は、データ回線は算定方式が明確な接続という契約を結んでいます。

 総務省は、格安SIM業者に電話番号を直接割り当てる方針をとります。

 いまは大手から番号や通話回線を借りていて、独自の料金設定やサービス提供が難しかったといえます。
 格安SIM業者が、自前の番号を持つことで、大手に支払う回線利用料に縛られずにプランを設定しやすくなります。
 サービスの多様化で事業者に一層の競争を促し、料金値下げなどにつなげるとしています。

 菅義偉政権の値下げ要請を受けて、大手が「ahamo」「Povo」「Linemo」など割安な大容量プランを打ち出したことで、格安SIM業者の競争環境は厳しさを増しています。

 格安SIM業者は生き残れるのでしょうか。

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