本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

医師と弁護士の開業

 弁護士が、イソ弁経験を経て1人で開業しようとします。
 必要なものは何でしょうか。

 実は、あまり必要ないのです。
 事務所の家賃がいります。オフィスによっても違いますが保証金が必要です。これが結構高価です。

 最低1人の事務員がいります。事務員なしに仕事をされておられる弁護士さんがいるにはいます。

 あとは、パソコン、電話、ファクス、コピー、プリンター、執務室、応接室これくらいです。最近は判例検索ソフトも必要になっています。書籍は独立するころには、嫌でもそろっているはずです。

 わずかですね。

 弁護士は機械に頼らず、自分の知力・体力で仕事をしていることがおわかりかと思います。

 ですから、就職先がなく、自宅で即時独立する人は、奥さんに事務員になってもらえば、案外費用はかかりません。

 最大のコストである家賃、事務員費用が不必要になり、年間約50万円の弁護士会費(大阪の場合)が最大の費用となります。

 医師の場合は全く違います。

 診療所となるオフィスがいります。

 レントゲン、エコー、心電図、温熱治療、電子カルテ、レセコン、最近はMRIも必要なようで、設備費だけで2000万円かかるという話も聞きます。パソコン、電話、ファクス、コピー、プリンターだけですむ弁護士とは大きく違います。

 受付に1名はいるでしょうし、看護師が必要です。看護師の給料は法律事務所事務職員の比ではありません。

 あと、広告費も必要ですね。駅によくあります。弁護士の場合広告費「0」という人は結構多いです。

 ただ、医師は当直のアルバイトができますが、弁護士はできません。

 医師が一晩の当直のアルバイトで稼ぐ5万円は、弁護士が、国選弁護人を1件(拘置所複数回・公判2、3回)するときの金額に、ほぼ匹敵します。

 国選弁護は、都市部では、もうかっていない弁護士を含め「とりあい」になっています。

 医師や医療法人の破産は結構あります。

 弁護士や弁護士法人の破産は「ニュース」になります。

 もちろん、弁護士は破産すれば、弁護士の資格を自動的に失いますが、開業医は、破産しても、勤務医として働くことができるという点にも差があるでしょう。

 いずれにせよ「娘を嫁がせるなら医師か弁護士」といわれていましたが、今は、どちらも資格だけで「いい生活ができる」甘い職場ではありません。歯科医師などは最悪だそうです。

 なお、特に、一部の稼げる弁護士を除き、若い弁護士に嫁がせると、体面や生活レベルを保つため、双方の実家から、資金的援助が必要になることがあるそうです。
TOPへ戻る