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雑記帳

アストラゼネカ製ワクチン 政府、台湾へ一部提供を検討

 イギリス大手の製薬会社アストラゼネカが開発した新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、日本政府が調達分の一部を台湾に提供する検討をしていることが分かりました。

 日本政府はアストラゼネカ社と、1億2000万回分の供給契約を締結しています。
 令和3年5月21日に薬事承認し、アストラゼネカは9000万回分を日本国内で生産する方向です。

 日本は、ファイザーとモデルナ製のワクチンだけで、希望者全てのワクチン接種ができますから、アストラゼネカ社のワクチン1億2000万回分、つまり、6000万人分が余ります。

 ヨーロッパで、ごくまれな副反応として血栓症が報告されたことから、国内での使用方法は定まっていません。
 ただ、韓国で接種されているワクチンは、アストラゼネカ社のワクチンで、大きな副反応が報告されていないことから、東アジア人での「生体実験」は済んでいるといっていいでしょう。

 台湾は、アストラゼネカ社、米モデルナ社と供給契約を締結したものの、供給不足で接種が進まず、感染が急速に拡大しています。
 台湾は米ファイザー社と共同開発した独ビオンテック社とも交渉を進めていましたが、蔡英文総統が「中国の介入のために今も契約ができていない」と中国当局の妨害があったと述べています。

 これまで、台湾は、日本が災害に会った際などに支援を実施しており、その恩返しの意味があります。調達したワクチンの有効利用という意味からも意義があります。
 中国がワクチン外交に乗り出すなか、日本がこうした動きをすれば、中国がワクチンで世界に圧力をかけることがしにくくなります。

 政府は国内外での活用を探っており、台湾への提供について具体的な手法の検討に着手しました。
 アストラゼネカ社との供給契約には、接種後に健康被害が起きた場合の賠償を日本政府が肩代わりする内容が含まれているため、台湾に提供した場合の責任の所在をクリアしなければなりません。
 どこの国に援助する場合も同じ問題があります。

 政府はさらに、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局を通じて、太平洋の島しょ国にアストラゼネカ製ワクチンを提供することも検討しています。
 やはり、中国の影響を打ち消す目的です。

 なお、世界中の途上国などに提供する国際枠組み(COVAX)を通じての供給を検討しています。

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