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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

65歳以上の高齢者は令和6年に4000万人に

 総務省統計局のデータ(令和2年)によりますと65歳以上の高齢者人口は約3588万人であり、日本における総人口の28.4%を占めています。

 また、国立社会保障・人口問題研究所が出している人口推計によりますと、高齢者人口は令和6年(2024年)にピークを迎え、3935万人(総人口の36.1%)まで増加ます。
 そののち人口自体は減少に転じますが、出生率の低下もありパーセンテージとしては36~38%のまま推移すると考えられています。

 このような現状を踏まえ、国は老齢者が活躍できるよう働きやすい制度を整える一方で、年金についてもさまざまな見直しを行っています。

 働く意欲のある高齢者がいつまでも活躍できるよう、努力義務ではありますが企業には70歳までの「高年齢者就業機会確保措置」が求められることになりました(令和3年4月施行)。

 これまでも企業には「定年制の廃止」「65歳までの定年引き上げ」「希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入」いずれかの「高年齢者雇用確保措置」が義務付けられていました。
 さらに、勤務可能年齢の70歳への引上げに加え、新たに「創業支援措置」を含めた措置が求められたわけです。
 創業支援とは「フリーランスや自営業となる社員との業務委託契約を結ぶ」「社会貢献事業へ従事することへの支援をする」ことなどです。

 現在、老齢厚生年金をもらいながら働く場合、年金額と賃金の月額合計が60~64歳であれば28万円、65歳以上ならば47万円を超えてしまうと、その超えた全部または一部の年金が減らされる「在職老齢年金制度」というものがあります。
 これが、令和4年4月からは60~64歳も47万円に緩和されることになりました。

 まだ気力も体力も十分なシニア層にとって、働くと年金がカットされてしまうのではモチベーションが下がるとの意見がありましたが、この緩和で60代前半の方も賃金をあまり気にせずに働くことが可能になります。主婦・主夫のパートのように、勤務時間の制限を考えながら働くという必要も減少しました。
 もっとも、ちょうど、私の世代のサラリーマンは、大損をしたということになります。

 現在の制度では65歳以上で老齢厚生年金をもらいながら働く人は、退職し厚生年金を脱退しなければ年金額の改定が行われませんでした。
 これが令和4年4月以降は退職せずとも65歳以降に払い込んだ保険料は毎年10月分からの年金額に反映されることになります。
 働きながら老齢厚生年金を受給する一方で年金保険料も払っている人にとっては、払い込んだ保険料が毎年の年金額に反映することはモチベーションアップにつながるでしょう。

 年金受給開始年齢は本来65歳ですが、本人が希望すれば60~65歳の間で受給を開始できる「繰り上げ受給」もしくは66歳~70歳の間で受給を開始できる「繰り下げ受給」を選ぶことができます。

 令和4年4月以降は繰り上げによる減額率が、0.5%から0.4%と引下げられ、繰り下げの増額率は0.7%と変わりません。また、受給開始可能年齢が75歳まで広がります。
 60歳からの年金の繰り上げ受給がしやすくなります。
 もっとも、受給開始可能年齢を75歳にする人は「まれ」でしょう。

 ただ、これらの改革は、将来の年金受給開始年齢を、現在の65歳から70歳に変更するための布石です。
 私は間違いなく逃げきりですが、逃げ切れない年齢の人は気の毒です。
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