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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

台湾提供のワクチンの裏話

 中国の天安門事件があった6月4日、日本は台湾にアストラゼネカのワクチン124万回分を空輸しました。

 台湾各紙は、日本政府が台湾に新型コロナウイルスの英アストラゼネカ製のワクチンを提供することを「日本の124万回分が今日台湾到着」との見出しで1面トップに掲載し、日台の友情を改めて証明したと報じました。

 台湾の自由時報は、日本政府がアストラゼネカ製を特例承認したものの、国内では当面使わない方針を決めたことを受け、蔡英文総統ら政権幹部が台湾への提供に向けて日本側と交渉を続けたと報じました。

 台湾で承認されているワクチンは、アストラゼネカ製だけです。

 なお、日本が使用しないアストラゼネカ製のワクチンを台湾に贈ることはおかしいと、台湾のネットで報じられたと報じられています。
 しかし、台湾で承認されているワクチンは、アストラゼネカ製だけですから、アストラゼネカ製のワクチンを台湾に贈ることはあたりまえです。
 台湾にも、反現政権の親中分子がいますから、台湾のネットで否定的に報じられたのは、アストラゼネカ製しか台湾では使えない現実を隠した、反現政権の親中分子の運動とみてよいでしょう。

 日本による台湾に対する英製薬大手アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンの提供は、中国からの横槍を警戒しつつ、水面下で慎重に準備が進められてきました。

 ワクチンを共同購入して途上国に分配する国際的枠組みCOVAXを通じて台湾に供給する案も検討されたのですが、中国の妨害の可能性や、時間がかかりすぎると判断されました。

 令和3年5月24日夜、東京都港区の台北駐日経済文化代表処(台湾大使館に相当)では、台湾の駐日大使に当たる謝長廷代表と米国のヤング駐日臨時代理大使の意見交換会に薗浦健太郎元首相補佐官が招かれていました。

 薗浦健太郎元首相補佐官「日本はアストラゼネカ製のワクチンを公的接種では当面使わない。それを台湾に譲る動きもある」と述べ、ヤング駐日臨時代理大使も「グッドアイデアだ」と賛意を示した。

 薗浦氏は5月25日、安倍前首相に謝大使らとのやり取りを報告して協力を要請しました。
 安倍前首相は、首相を支える首相補佐官や党総裁外交特別補佐として外交政策を担ってきた薗浦氏の話を聞き、安倍氏も「すぐにやろう」と応じたそうです。

 国有財産であるワクチンの譲渡は財務省の了解が必要となります。

 麻生太郎副総理兼財務相に報告した上で、菅義偉首相のゴーサインを得ました。
 関係省庁間の調整役には加藤勝信官房長官が当たりました。

 さらに、台湾へのワクチン援助をするとともに、安倍前首相の台湾訪問を期待したいですね。
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