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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

ワクチン アメリカやヨーロッパや日本に偏在

 世界で新型コロナウイルスのワクチン供給をめぐる不均衡が強まっています。

 ワクチンを製造・輸出するアメリカやヨーロッパなどが合計1億5000万回分強の余剰をかかえるのに対し、日本とシンガポールを除くアジアの多くの国は供給不足で接種が遅れています。

 国家間でワクチンを融通する動きが限られる中、アメリカやヨーロッパなどで3回目の追加接種(ブースター接種)を検討する国もあり、不足解消が一段と遅れるおそれがあります。

 アメリカやヨーロッパなどワクチンの調達数と接種数のデータが取得可能な33カ国を対象に、ワクチン在庫状況の調査が行われました。

 アメリカはこれまで3億9000万回分を政府や各州が定めた接種拠点に配布したのに対し、累計接種回数は3億4000万回にとどまり、約5000万回分が未使用のままです。最近の1日あたりの接種回数で換算すると、約100日分の「在庫」にあたります。

 EUも、ドイツ(1470万回)やフランス(1060万回)など30カ国合計で約8000万回分(25日分)が在庫としてあります。

 生産国などワクチン接種で先行した国に共通するのが、人口の7割が接種を完了する前に直面する「集団免疫の壁」です。
 イスラエルは人口の6割手前で接種完了率が頭打ちとなり、米国や英国も5割前後で推移しています。
 副作用への不安から接種を敬遠する動きも広がり、ヨーロッパではこの1カ月で在庫が7割増えました。

 新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた人の免疫をさらに強化するため、3回目の接種をすることについての検討がなされています。
 ファイザーやモデルナなど新型コロナワクチンの多くは2回の接種が基本ですが、感染力の強いインド型(デルタ型)をはじめとする変異ウイルスの流行でワクチンの効果が下がるとの懸念が出ており、イスラエルや英国など一部の国が追加接種に動き始めています。

 ワクチンの偏在が是正されないのは、需要に対してどのメーカーも生産ペースが追いついていなためです。
 余剰を抱える国でも、感染力の強いインド型(デルタ型)の流行に備えて未接種者向けワクチンを確保しておく狙いもあります。

 日本は、安倍首相の時代に、ワクチンの大量予約をしました。お金も払いました。

 ワクチンがどれだけの効能があるかわからないころ、mRNA型のファイザー、モデルナ、ウイルスベクター型のアストラゼネカとのワクチン購入契約をしています。

 契約内容は秘密事項で公開されていません。

 ただ、日本は、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカとの間で、各製薬会社の開発途上から研究開発資金としてまとまった現金を渡して契約したとされています。

 ワクチン開発がうまくいけばいいですが、うまくいかなければ、先渡ししたお金は無駄金になります。
 ただ、ワクチン会社は、先に、研究開発資金を出してくれた国に優先供給します。
 ワクチンが、効果があるとわかってから購入しようとする国は、先に、研究開発資金を出してくれた国より後の順番になります。

 その結果、日本は、ファイザー、モデルナだけで、令和3年9月までに、国内接種分を入荷することができ、アストラゼネカに至っては、国内接種せずに、台湾やASEAN諸国の援助に回すことができています。

 日本は、当初の契約なら、もっと早く先進諸国(アメリカ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、カナダ)などよりワクチンを輸入できたと思います。
 もっとも、日本の感染状況や死者の数からして、日本が、上記6か国より先にワクチンをとってしまえば、おそらく、ひんしゅくをかっていたかと思います。
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