本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

新型コロナと重症者

 令和3年2月のいわゆる第3波、令和3年5月のいわゆる第4波のときは、1日平均100人程度の死亡者がいましたが、令和3年8月の第5波の死者は平均して10人台、少ないときは3、4人ということもあります。

 感染者数(陽性者数)が増加して、1日1万5000人と大きく報道され、重症者の増加も大きく報道されていますが、死亡者数は、ほとんど報道されなくなりました。

 そもそも、日本の報道基準はグローバルスタンダードではありません。
 イギリスBBC、アメリカCNN、ドイツZDFでは、新規感染者の他に、必ず死亡者を放送します。
 日本は、死者が多いときは報道しますが、死者が少なくなると、全くといっていいほど報道しません。
 おかしいですね。

 いわゆる第3波までは、死亡者の平均年齢が80歳となるほど高齢者が多く死亡していましたが、高齢者の2回ワクチン接種率が80%をこえてくると、高齢者の罹患率は激減してきています。
 令和3年5月のいわゆる第4波のときは、1日平均100人程度の死亡者がいましたが、令和3年8月の第5波の死者は10人台となった理由はワクチン接種のおかげでしょう。

 ただ、重症者はいわゆる第4波のときより増えています。

 いわゆる第4波のときは、死亡者の平均年齢が80歳ということですから、自宅からICU入所や人工呼吸器をつけるために入院するというのは、80歳前後以上の高齢者本人にとっても家族にとってもためらわれるところです。どうせ助かりもしないのに、かえって苦しんで死んでいく可能性が高いのであれば、運命と達観して、自宅で酸素吸入などの療養をして、死亡したら死亡したで天命であると考える人は多かったでしょう。

 つまり、統計上は、軽症→重症→死亡という経過ではなく、軽症(自宅療養)→死亡という経過をたどった死亡者が多かったと考えられます。

 いわゆる第5波の場合、ワクチンを接種していない40代、50代の患者が重症化したとき、自宅から病院に入院し、ICU入所や人工呼吸器という選択をすることになるでしょう。
 まだ若いですから、人工呼吸器をつけながら生還する可能性も低くありません。つまり、天命としてあきらめるという年齢ではありません。
 当然、入院する重症者は増加します。

 もう少し早く、40代、50代の人のワクチン接種が始まっていればよかったということですが、日本は、アメリカやEU諸国と同様、早期にワクチンの発注・入金をしていたものの、アメリカやEU諸国は、当初、アメリカ内やEU内で精一杯、患者がG7のうち桁違いに低い日本に輸出する余裕はありませんでしたし、日本も契約を盾に無理に輸出を求めなかったということのようですから仕方がありません。
 なお、この経緯については、守秘義務のため公表されていないものですから、想像に過ぎませんが、EUがEU域外にワクチンを輸出しないように求めたという報道はありました。

 アメリカやEU諸国におけるワクチン接種が一巡してから、日本への本格的な輸出が始まったあとは、順調にワクチン接種がはじまっています。
 ワクチン接種が遅いという不満があるようですが、自分や自分の家族のワクチン接種が遅れると、「ワクチン接種が遅い」という世論調査パーセントが多くなります。

 令和3年8月16日時点において、高齢者の88%強には、2回ワクチン接種がされているか、まもなく接種されることは確実です。
 もっとも、18歳以上64歳以下のワクチン接種率は、1回接種で35%程度、2回接種で20%程度にすぎないそうです。

 ちなみに、いわゆる第5波については、40代と50代が重症者の多くを占めていて、共通しているのが、ワクチンを接種しておらず、糖尿病や高血圧、ぜんそくや肥満といった症状をもっている層だそうです。

 40代と50代で、まだ接種を受けていない人の早期のワクチン接種が求められます。

TOPへ戻る