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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

認知症患者のマネー凍結リスク

 高齢化の進展で認知症患者が保有する金融資産が増え続けているようです。

 第一生命経済研究所の「認知症患者の金融資産200兆円の未来」というレポートによりますと、認知症患者の保有する金融資産額は、2030年には215兆円に達するそうです。
 家計の金融資産全体に占める割合としては、10.4%になる見込みです。

 認知症になりますと、程度にもよりますが、預金が引出せなくなります。

金融機関の立場では、家族による横領を防ぐための当然の対応なのですが、たとえ本人のためでもお金が使えず、預金が凍結状態になることになります。

 対策の一つは成年後見制度です。

 成年後見人は、お金を本人の口座から出すことがでます。
 ただ、平成29年時点の制度利用は約21万人と認知症高齢者の5%にも満たないというのが現状です。
 もっとも、あまり資産のない人が多数でしょうから、5%といっても、さほど深刻ではありません。

 成年後見が利用されない理由はいろいろ考えられます。

 親を成年被後見人にしてしまうのはどうかと考える人も多いでしょう。

 また、核家族化が進んで後見人になる親族が近くにいないということがあります。

 弁護士や司法書士など専門職を後見人にすると、最低で月2万~3万円の報酬を払い続けなければならないので、よほどの収入や資産がない限り、負担は大きくなります。

 かといって、有効な方法はないというのが実情でしょう。
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