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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

アメリカとイギリス、オーストラリアの原子力潜水艦配備を支援

 アメリカ、イギリス、オーストラリアは、令和3年9月15日、インド太平洋の安定に向けた新たな安全保障協力の枠組みの設置で合意したと発表しました。

 3カ国による外交・安保担当の高官協議を立上げ、協力の第1弾としてアメリカとイギリスががオーストラリア原子力潜水艦の配備を支援します。
 オーストラリアの原子力潜水艦は、中国を念頭に抑止力を強化する目的です。

 新たな枠組みは3か国の頭文字を組み合わせた「AUKUS」(日本読み「アンカス」)です。

 原子力潜水艦は原子力を動力とした潜水艦で、核保有国であるアメリカとイギリスが強みを持ちます。
 秘匿性が高く長い時間の潜航が可能な原子力潜水艦を展開できれば、中国の軍事活動が活発になっている南シナ海などを含むインド太平洋地域での抑止力が高まります。

 なお、モリソン首相は、非核保有国であるオーストラリアが「核兵器の保有をめざすわけではない」と説明しました。

 軍事分野での重要性が増す人工知能(AI)とサイバー、量子テクノロジーでの協力を推進します。また、防衛産業におけるサプライチェーンの統合も探ります。

 米政府高官は「特定の国を対象にした取組みではない」としながらも「インド太平洋でルールに基づく国際秩序を維持し、平和と安定を推進するものだ」と語った。強権路線に傾斜する中国が念頭にある。バイデン大統領は「3カ国の協力を深め、明確にする歴史的な一歩だ」と語った。

 アメリカは日本、オーストラリア、インドとの4カ国による「Quad(クアッド)」首脳による初の対面式の会談をワシントンで開きます。
 アメリカ、イギリス、オーストラリアの新たな枠組みは多国間連携を重視するバイデン政権の取り組みの一環となります。
 イギリスは新たな安保戦略でインド太平洋地域への関与を強めています。

 オーストラリアは、一時期、日本の潜水艦を輸入しようとしていましたね。
 日本にとって、あまり、好ましい話ではありません。
 潜水艦というのは、兵器の中でも、最も国家機密性の高い兵器の一つです。
 オーストラリアは民主主義国家です。現在は、反中政権ですが、選挙結果次第で、いつ親中政権にならないとも限りません。
 オーストラリアに潜水艦を輸出して、その技術がオーストラリアを通じて中国にいってしまったのではたままりません。
 真相は闇の中ですが、日本からオーストラリアへの潜水艦輸出は立消えになりました。

 オーストラリアは、平成28年にフランスと結んだ約900億オーストラリアドル(約7兆1860億円相当)規模の潜水艦技術移転契約を一方的に破棄したことになります。

 フランスの怒りは大きいでしょう。
 しかし、オーストラリアが、通常動力潜水艦ではなく、原子力潜水艦を持つことは、対中国潜水艦対策として、悪いことではありません。

 中国海軍が南シナ海の軍事基地や海南島の潜水艦基地などから太平洋での行動を活発化させることに対して、アメリカが警戒していることがわかります。
 日本の潜水艦に、南シナ海の軍事基地や海南島の潜水艦基地などから太平洋での行動されても、位置から見て難しく、やはり、オーストラリアの仕事かと思います。


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