本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

外国人の入国禁止「当面1か月」 オミクロン株・日本人も隔離や自宅待機へ

 岸田首相(政府)は、令和3年11月29日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の急拡大を受け、令和3年11月30日午前0時以降、全世界からの外国人の新規入国を原則禁止すると発表しました。

 措置の期間は「当面1か月」とします。
 実質的に、年内は外国人の入国は禁止となります。

 日本人についても、既に規制を強化していた南アフリカ、ナミビアなど9カ国に加え、英国、オランダ、イタリア、イスラエルなど14カ国・地域からの入国者は指定施設で3日間から10日間、隔離します。
 これら計23カ国・地域以外から入国する日本人は、ワクチン接種者を含め、自宅などで14日間の待機を求めるにとどめるのと大きく違います。

 また、入国者総数を令和3年12月1日から1日上限5000人から3500人に引き下げます。
 政府によると、令和3年10月の1日当たりの入国者数は平均2434人でした。

 政府が、全世界からの外国人の新規入国の原則停止を公表したことには、危機管理対応で先手を打つ狙いがあります。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」は感染力など不明な点が多いのですが、岸田首相は「最悪の事態」を想定した措置を決断しました。

 岸田首相(政府)は、南アフリカなどで25日に新たな変異株が検出されたとの発表を受け、令和3年11月26日には、6か国からの帰国者らに10日間の指定施設での待機を求める措置を発表しました。
 世界保健機関(WHO)が「懸念される変異株(VOC)」に指定する前でした、世界的な株価の下落から「早急な対応が必要だ」(首相周辺)と判断しました。

 日本国内での新型コロナの感染者数は減少していて、政府は経済界からの要望を受け、令和3年11月8日から、ビジネスでの短期滞在者や留学生、技能実習生らを対象とし、活動計画書の提出などを条件に外国人の新規入国を解禁したばかりでした。

 首相が即座に新規入国停止に踏み切ったのは、安倍・菅両内閣の反省を生かしたものです。

 安倍内閣は、令和2年、新型コロナが感染拡大した当初、米国が中国全土からの入国を拒否したのに対し、安倍内閣は湖北省だけに対象を絞った結果、「後手に回った」と批判されました。
 菅内閣は変異株の流行にもかかわらず、中国など11か国・地域とのビジネス関係者の往来をすぐに停止せず、支持率低迷を招きました。

 岸田首相は今後も、機動的な対応を心がける構えです。
 もっとも、厳格な措置が続けば、正常化に向けて動き出した経済活動にも影響を与える可能性があります。

 感染防止が大切か、経済が大切かは難しいところですが、来年夏に実施される参院選挙を考えると、安倍内閣と菅内閣の轍を践むことができないとした判断でしょう。

 英断かと思います。
TOPへ戻る