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2023年バックナンバー

雑記帳

「家賃保証会社」の利用80%に急増、悪質な取立て・追出しでトラブルも

 滞納家賃を立て替える家賃保証会社による行き過ぎた取り立てや部屋からの追い出し行為を防ぐルール整備が課題となっています。

 その昔は、賃貸借契約のときに、保証人を求められるのが普通でした。親戚、友人など誰か1人を探さなければなりません。
 家賃保証会社は一般的に貸主、借主それぞれと契約を結び、借り主が家賃を滞納した場合に貸主に立替え払いし、その分を借主から回収します。

 ただ、家族関係の希薄化や少子高齢化で連帯保証人の確保が難しい借主側の事情に加え、貸主にとっても家賃未払いのリスクを避けられるメリットがあり、保証会社の利用が拡大はています。
 2000年代に新規参入が相次ぎ、現在は250社以上が存在しています。
 国土交通省によると、不動産賃貸借契約での利用は平成22年の39%から、令和3年には80%にまで増加している。

 保証会社は、住居の円滑な確保に欠かせない存在となる一方、家賃の滞納が続けば損が膨らむため、悪質な取立て、追出し行為が社会問題化しています。追出しは鍵を替えたり、水道をとめたりさまざまなものがあります。

 全国の消費生活センターに寄せられた相談は平成29年以降、毎年500件前後で推移していて、「深夜に訪問されるなど回収が強引で執拗」「『借金してでも返せ』と言われた」といった相談があります。
 保証会社の利用が急増する中、トラブルは後を絶たず、令和3年12月には借り主に一方的に不利な内容になっているとして、保証会社の「追出し条項」の使用差し止めを命じる最高裁判決も出ています。

 92社が加盟する業界団体「家賃債務保証事業者協議会」も自主ルールを定め、滞納回収時に正当な理由なく物件に立入ったり、借り主の持物を処分したりすることを禁じ、違反した場合は内部で審査し処分することになっています。
 3か月以上の滞納があれば、借主に知らせ、明渡しを求めて提訴するなどの司法手続きを進めるのが一般的とされ、合法です。
 ただ、訴訟提起に、弁護士に依頼するなど、お金と時間がかかり、強制執行するにも、やはりお金と時間がかかります。

 立替手数料を、割に合うように上げれば問題ないのでしょうが、そうすると、家賃保証会社の競争で負けてしまいますし、カルテルを結べば公正取引委員会の出番でしょう。
 もともと、「家賃債務保証事業者協議会」は強制加入団体ではなく任意団体ですし、そもそもカルテル締結は不可能です。
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