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2023年バックナンバー

雑記帳

パスワード

 パスワードとは「特定の機能を使用する際に認証を得るため入力する文字及び数字の羅列を指し、その利用者が正当な権限を持った者を確認するもので、正当な権限を持った者だけが知る文字列を用いる」と定義されるそうです。

 パスワードのうちで、数字のみで構成される文字列を暗証番号(PIN、Personal Identification Number)といい、金融機関のATMや携帯電話の本人確認で利用されています。
 銀行のキャッシュカードやクレジットカードに設定されている暗証番号については生年月日、自動車のナンバー・電話番号や「1111」「1234」のような覚えやすい番号(いわゆるキリ番)が設定されている場合が多いのですが、近年発生しているクレジットカードやキャッシュカード窃盗やスキミング等の事件においては、日本ではじつに60%の例で生年月日を入力されて現金を引き出されているといわれています。
 覚えやすいですけど、財布の中のに免許証をいれていたり、車上荒らしにあったら一発ですね。

 「偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律」(平成17年8月10日法律第94号)、通称「預金者保護法」、全国銀行協会から補償についてのガイドラインによれば、以下のとおりです。

 以下の場合は、重過失に相当し、偽造・盗難とも被害額は一切補償されません
1 顧客が他人に暗証番号を知らせた場合
2 顧客が暗証番号をキャッシュカード上に書き記していた場合
3 顧客が他人にキャッシュカードを渡した場合
4 その他、顧客に1から3までの場合と同程度の著しい注意義務違反があると認められる場合

 以下の場合は、過失に相当し、偽造・盗難とも被害額は補償額が75%に減額されます。
1 次のaまたはb に該当する場合
 a 金融機関から生年月日等の類推されやすい暗証番号から別の番号に変更するよう個別的、具体的、複数回にわたる働きかけが行われたにもかかわらず、生年月日、自宅の住所・地番・電話番号、勤務先の電話番号、自動車などのナンバーを暗証番号にしていた場合であり、かつ、キャッシュカードをそれらの暗証番号を推測させる書類等(免許証、健康保険証、パスポートなど)とともに携行・保管していた場合
 b 暗証番号を容易に第三者が認知できるような形でメモなどに書き記し、かつ、キャッシュカードとともに携行・保管していた場合
2 次のaのいずれかに該当し、かつ、bのいずれかに該当する場合で、これらの事由が相まって被害が発生したと認められる場合
 a 暗証番号の管理
 金融機関から生年月日等の類推されやすい暗証番号から別の番号に変更するよう個別的、具体的、複数回にわたる働きかけが行われたにもかかわらず、生年月日、自宅の住所・地番・電話番号、勤務先電話番号、自動車などのナンバーを暗証番号にしていた場合
 暗証番号をロッカー、貴重品ボックス、携帯電話など当行取引以外で使用する暗証番号として使用していた場合
 b キャッシュカードの管理
 キャッシュカードを入れた財布などを自動車内などの他人の目につきやすい場所に放置するなど、第三者に容易に奪われる状態においた場合
 酩てい等により通常の注意義務を果たせなくなるなどキャッシュカードを容易に他人に奪われる状況においた場合

 具体的には、争いになれば、最終的には訴訟において決せられるということになります。
 逆にいえば、理屈の上では、上記のケースを除けば100%補償されるということになります。
 カード類は通常4桁の数字ですから、生年月日、自宅の電話番号、自動車のナンバーなどと全く異なる番号を覚えていましょう。

 なお、不正利用者が、本人や家族の生年月日や運転免許証番号、電話番号などを試して正しい番号を当てるということを防ぐため、多くの場合、複数回間違ったパスワードを入力すると、システムがそれ以降の入力を拒否するようになっています。
 具体的には、金融機関の現金自動預払い機では、間違った暗証番号を3回入力すると以降はそのカードは有人窓口以外での取り扱いができなくなってしまいます。

 頻繁にパスワードを変えたり、あまり多い種類のパスワードを使い分けるのは賢明ではないですね。
 そこで、記憶できる範囲で複数のパスワードを作成し、それらをうまく使いまわすという方法が推薦されています。
 もっとも「必ずばれてしまうであろうパスワード」「あまりばれてほしくはないが、万が一ばれてしまっても構わないパスワード」「絶対にばれては困るパスワード」といった具合に、目的・必要な強度にあわせて、2つや3つのパスワードを分けて使う手もあります。

 なお、コンピュータに、IDとパスワードを覚え込ませるくらいなら(ID、パスワードの保存)、どこかにメモ書きした方が安全です。
 どうでもいい掲示板のパスワードなどは別ですが、金の動くサイトに利用するパスワードには細心の注意を払いましょう。
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