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2023年バックナンバー

雑記帳

学歴フィルター

 会社の採用で「学歴フィルター」と呼ばれる仕組みがあります。
 一定水準の偏差値未満の大学出身者を採用選考から除外する意図で行われる非公式な選考手段と定義されます。

 令和3年に、就職・転職・進学情報の提供や人材派遣・人材紹介などをてがけるマイナビが「大東亜以下」と題したメールを就職活動学生に誤送信した問題がありました。

 偏差値の高い大学の学生の全てが有能というわけではなく、企業に入っても成果を出すとは限りません。

 人気企業では、大量の応募から何らかの基準によって絞り込むことが必要です。
 膨大なエントリーシートを、数人程度の採用担当者がすべてチェックするというのは現実的ではありません。
 学歴を考慮せずに人物評価をして選考しようとすれば、採用担当者を大幅に増やすしかありませんが、限度があります。
 何か「ものさし」(基準)をもうけなければなりません。

 基準で最も便利なのは「学歴」ということになります。
 偏差値の高い大学に入るということは、少なくとも受験プロセスとして受かるための学習をしているわけで、社会人になってもそれと同じことができるだろうと推測できます。
 偏差値の低い大学に入った人よりも勉強のやり方は知っていることになります。
 どんな大学でどんな講義を受けてきたかというところが大切かどうかは見解が分かれるでしょう。
 「学歴」で絞り込んで、実際に採るかどうかはその後の選考で判断するということに合理性があります。

 なお、ワンマン会社の経営者なら、採用で失敗しても責任を問われることはありません。
 ある程度以上の規模の会社なら、採用担当者が、採用で失敗しつづければ、採用担当者の出世にもひびきます。
 他の物差しで選考すると、採用で失敗した場合に、採用担当者が悪いということになりますが、「学歴」で選考した場合、採用で失敗した場合の言い訳ができます。

 神様が採用しない限り完璧な採用はできません。
 採用担当者が神様でない以上、「学歴フィルター」は必要悪ということになります。
 仕方がないですね。
 また、生徒は、「学歴フィルター」があるとわかって大学を選んでいるわけですから、文句は言えません。


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