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2023年バックナンバー

雑記帳

関東と関西の引越しで使えなくなる家電がある?なぜこんな不便なことに?

 関東の電気の周波数は50ヘルツ(サイクル/秒)なのに対して、関西では60ヘルツです。
 最近ではどちらでも使える電気製品も多いですが、洗濯機や電子レンジは、一方にしか対応しないものも多いようです。
 その昔、電気時計(電力の周波数で時計を動かします)を、下宿先の東京にもっていっても動かなかった記憶があります。
 東京では、時間がゆっくり流れるということはありません。
 大阪の時計がせっかちなわけでもありません。
 ただ、取扱説明書を見ても、周波数の切替えは不可能だったようでしたから、帰省の時に持って帰りました。

 なぜこんな違いが生まれたのでしょうか?
 日本に電気が導入された時、東京電燈(現東京電力)が採用したのは、ドイツ製の発電機で50ヘルツ、大阪電燈(現関西電力)が採用したのは、ドイツ製ではなくアメリカ製の50ヘルツの発電機だったからです。

 新潟県の糸魚川と静岡県の富士川を結ぶラインで周波数が真っ二つに分かれています。
 もし対応していない周波数の電気製品を使うと、製品が壊れたり、火事の原因となってしまったりすることもあります。
 そのため、引越しの際には必ず周波数の確認が必要になります。
その後、関東では50ヘルツ、関西では60ヘルツで電気が送電され続けてきたのです。

 同じ国内で電気の周波数が異なる例は、世界中を見渡しても、日本以外にはほとんどないそうです。

 違う電灯会社が、違う周波数の発電機を導入したのかは定かではないそうですが、電気というものに慣れていなかった当時、発電機が正常に作動し、きちんと送電できさえすれば問題ないと考えられたのかもしれません。
 今日のように一般家庭にまで家電が普及していなかったため、東西の電気の周波数の違いを気にすることなどありませんでした。
 その後、家電製品が次々に開発されて家庭に普及し、東西での人の移動が活発になってくると、周波数の違いがあるとひどく不便であることがわかってきました。

 そこで、過去にはどちらかに統一しようという提案も出たましが、どちらかに統一すると、不採用になった地域の人々は多くの家電を買い替えなくてはならなくなります。
 その影響があまりにも大きすぎるため、現在も統一できずにいるというわけです。

 ですから、東西の電力会社間で、電気の融通ができないという自体が生じています。
 もちろん、周波数を変える施設はあるのですが、能力は限られています。

 ただ、関西の人間にとっては、関東の電力逼迫の巻き添えを食らって、関東の節電に協力させられる心配はありません。
 いずれ、逆転するかも知れませんが・・
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