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2023年バックナンバー

雑記帳

強襲揚陸艦「アメリカ」

 令和5年2月20日から23日まで、アメリカ海軍第7艦隊所属の強襲揚陸艦「アメリカ」が大阪港(大阪市住之江区)に寄港していました。

 ニュースでみて訪ねてきたという大阪市内に住む40代主婦は「戦闘機がのっていて、人がちっちゃく見えるほどの船を間近で初めて見て、スケールの大きさに感動した。初めてみる景色や雰囲気をすごく体感できた」と笑顔で話していたという報道がありました。

 強襲揚陸艦は、上陸部隊と、戦車や装甲車両を含む装備、航空機、上陸用の小型船艇などを積載できる艦船です。
 アメリカ海軍の強襲揚陸艦は、最新鋭のアメリカ級2隻のうち、強襲揚陸艦アメリカが佐世保基地に、強襲揚陸艦トリポリがサンディエゴ海軍基地に配備されています。

 佐世保基地には、前級のワスプ級8隻のうち強襲揚陸艦ワスプが配備されていましたが、令和元年に、強襲揚陸艦アメリカが配備され、強襲揚陸艦ワスプはバージニア州ノーフォーク海軍基地に配備替えになりました。
 ちなみに、ワスプ級8隻のうち1隻は事故で退役しましたが、7隻はアメリカ本土に配備されています。

 つまり、アメリカ海軍は、9隻ある強襲揚陸艦のうち、佐世保基地に最新鋭艦である強襲揚陸艦アメリカを配備し、他の7隻はアメリカ本土に配置しています。
 強襲揚陸艦アメリカは甲板が広く、ワスプより航空機用の格納庫などが充実しています。
 海兵隊をヘリコプターを使って上陸させるほか、就役当初からF35Bの運用が可能です。
 日本は強襲揚陸艦は保有していません。他国に戦車や歩兵を上陸させることは考えていません。

 アメリカ軍基地は、沖縄県、青森県、神奈川県、東京都、山口県、長崎県、北海道、広島県、千葉県、埼玉県、静岡県、京都府、福岡県にあります。
 京都府にもあるようにみえますが、経ヶ岬通信所(レーダー基地)にすぎません。

 ということで、近畿地方にはアメリカ軍の戦闘基地はなく、アメリカ軍の空白地帯となっています。
 台湾有事になっても、中国が、近畿地方のアメリカ軍基地をたたくということは考えにくいですが、逆にいえば、近畿地方は守りが手薄ということになります。

 強襲揚陸艦アメリカが大阪港に寄港したのは、単なるイベントというわけではなく、近畿地方が危うくなれば、強襲揚陸艦アメリカが、ヘリコプターやF35Bを艦載して、大阪港に寄港することができることを(中国に)見せつける効果を狙ったものとされています。


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