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2023年バックナンバー

雑記帳

韓国の出生率、過去最低の0.78男尊女卑の格差社会

 韓国の統計庁は、令和5年2月22日、令和4年の合計特殊出生率(女性1人が生涯に産むと見込まれる子どもの数)が0.78だったと発表しました。
 前年比で0.03下がり、1970年の統計開始以来最も低い数字です。
 急速な少子化により経済成長や社会保障の維持が困難になることが見込まれます。

 韓国の出生率は、令和4年の日本の1.3を大きく下回り、経済協力開発機構(OECD)加盟国でも10年連続で最低水準となる見通しです。

 結婚や出産を控える傾向が続くとみられます。韓国政府の予測では数年以内に0.6台まで下がる可能性があります。
 もっと早いかも知れません。

 韓国の出生数は前年比4.4%減の24万9000人で、20年前の約半分となりました。一方、昨年の死者数は同比17.4%増の37万2800人でした。
 出生数が死者数より12万3800人少なく、令和2年から3年連続の人口自然減となりました。
 また昨年の婚姻件数は前年比で1000件少ない19万2000件で過去最少でした。
 第1子出産の平均年齢は、33歳で前年比で0.3歳高くなりました。

 韓国の昨年の合計特殊出生率が0.78となり、超少子化がさらに進んだ理由は、雇用不安や住宅難などの経済的理由に加え、男性優位の家父長制的な家族や社会のあり方も、若者が結婚や子育てを避ける一因となっているそうです。

 韓国統計庁によると、令和2年に30代の人口約662万人の42.5%が未婚で、15年より6ポイント以上も増えました。
 令和3年に未婚の理由を尋ねた調査では「資金不足」が30.1%を占め、「雇用が不安定」が10%台で続きます。
 経済的な理由が上位に並び、格差社会で厳しい競争にさらされて結婚や子育てを選ばない若者の姿が浮かびます。
 世宗大の裵貞媛教授は「賢い人ほど子どもを産まない。子どもが生まれても格差がひどく、入試や就職競争で苦労する姿を想像するからだ」と語っています。

 韓国でも、手をこまねいてみていたわけではなく、2000年代半ばに盧武鉉ノムヒョン大統領が少子化対策に本腰を入れ始め、歴代政権が対策に累計280兆ウォン(28兆円)を投じています。
 現在の尹錫悦政権もゼロ歳児への給付金を月30万ウォン(3万円)から来年までに100万ウォンに増やす方針です。
 しかし効果は出ていなません。

 ブルームバーグはこのような現象に対して「低い出生率は経済の成長と活力を支える労働力の縮小につながることから、経済への長期リスクとなる」とし「高齢化に伴う社会福祉支出の拡大は、経済繁栄の鍵となる事業や研究開発の促進に充てる予算を圧迫し得る」と指摘しています。

 韓国に生まれなくて良かったといえそうです。
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