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2023年バックナンバー

雑記帳

法律事務所をねらった窃盗団

 法律事務所をねらった泥棒が結構多いです。
 私の事務所は、現在の事務所で1回、移転前のビルの事務所で1回、合計2回泥棒に入られています。
 西天満警察署は、本当に「犯人を捜す」意思と能力があるのでしょうか。

 ちなみに、法律事務所がねらわれるのは「現金」があるからです。
 預かり金を小型金庫に入れておかれる弁護士さんは結構多いです。
 小型金庫など、プロの手にかかれば、壊すのは簡単。現金あるよと教えてやるようなものです。
 最初の盗難の時も、2回目の時も、200万円だか、300万円だかの被害を受けた法律事務所があったようです。

 預かり金なら、弁護士賠償保険で填補されますが、給与など事務所の金銭は填補されませんし(特約をつけると一定の保険金が出ます。現金の盗難に保険金が出るというのは異例ですが、弁護士が、現金盗難と嘘をついてまで保険金をとるということは想定外だからです)、預かり金でも、マネーローンダリングの疑いのかかるような金銭は、保険請求できません。

 私の事務所は、最初の盗難の時は、事務員が鍵をかけておいたロッカーから1万円を盗まれました。
 慶弔用の新札の現金もおいてあったのですが、あまりにも無造作に、書類の間においてあったためか、無事でした。
 また、私の机の中に、ユーロが2万円分ほどおいていたのですが、ユーロが出たてのころで、「おもちゃ」か「どこの国の紙幣かわからない価値のない紙幣」と思われたのでしょう無事でした。

 2回目の盗難の時は、痛かったです。
 やはり、慶弔用の新札の現金もおいてあったのですが、やはり、終了事件の記録の間においてあったためか、無事でした。

 「円」は被害なしでしたが、「米ドル」「ユーロ」「英ポンド」「スイス・フラン」「ニュージーランド・ドル」「シンガポール・ドル」合計12万円ほど被害にあいました。なぜ、わかったかというと、使い残しの金額が封筒に書いてあるからです。「タイ・バーツ」(2万円ほどありました)「人民元」「マレーシア・リンギット」は、日本では換金できませんから無事でした。
 さすが、プロですね。日本で換金できる紙幣と換金できない紙幣を瞬時に見分けて、換金できる紙幣を盗んでいったことになります。
 警察官に被害額を説明したのですが、一通り説明した後、「米ドルは○○ドル。日本円にすると○○円を目安として考えてもうたらええでしょう」「イギリスポンドは○○ポンド、日本円にすると○○円を目安として考えてもうたらええでしょう」と、「世界丸ごとハウマッチ」のように説明していました。

 「ユーロは○○ユーロ。日本円にすると○○円を目安として考えてもうたらええでしょう」と言ったところで、警察官が「何ユーロですか」との質問をしてきました。
 「そやから、○○ユーロとゆうたやないですか」「ですから何ユーロですか」との繰返ししていたところ、横で見ていた事務員が気づいて、「先生。ドルみたいに、米ドルがあったり、シンガポール・ドル、ニュージーランド・ドルがあったりするように、ユーロにも、何種類かあるように思ってはるみたいですよ」と小声でささやきました。
 大当たりでした。警察官は、ユーロにドイツ・ユーロ、フランス・ユーロなど種類があり、「何(なに)ユーロですか」と、種類を繰返し聞いてきたのですが、こちらは、全くの「想定外」(何のための統一通貨かということになります)で、「○○ユーロです」と被害金額を、繰返し答えていたのです。

 私は、外国のお金を残さずに持っておくと、「もう一度」その国に行けるような気がしますので、無理に使い切ったりしません。
 ちなみに、2回目の盗難からは、使い残しの外貨は銀行の貸金庫に入れています。
 ちなみに、法律事務所にとって、もっとも盗まれて困るものは、預かっている書証の原本なんですが、法律事務所に入る泥棒にとって無価値ですから、2回とも、どこの法律事務所も無事でした。
 しかし、2回も泥棒に入られるとは、よくよく運がありません。
 一般の家でも、法律事務所でも同じですが、泥棒は、貴重品のはいっていさそうなところを狙います。
 金庫は、普通の金庫でも手提げ金庫でも、簡単にあける技術をもっていると考えた方がいいでしょう。金庫ごと持去るという方法もあります。
 また、鍵がかけてある引出しは「狙われます」。貴重品がはいっていることが推測されますから。

 今は、コンビニなどに24時間ATMがありますから、多額の現金を自宅に置く必要は普通ありませんし、不幸の場合は、新札でなくてもかまわないでしょうし、お祝い事は、予定がたちますから、なおのこと現金は必要ないと思います。
 宝石・貴金属はなどの貴重品のうち、普段身につけないものは、権利証などと一緒に、銀行の貸金庫に入れておけばいかがでしょう。

 また、森の中に無造作に木を放り出しておけば、木があることはわかりません。
 現金は、無造作に、本・書類などの中に紛れ込ませておけば、わからないと思います。紛れ込ませたことを忘れていては、何にもなりませんが・・・
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