本文へ移動

2023年バックナンバー

雑記帳

リュウグウ試料から有機分子2万種 生命宇宙飛来説を補強

 令和5年2月24日、探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った砂状試料を分析している宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの研究チームは、試料から約2万種類もの有機分子が見つかったと、米科学誌サイエンスで発表しました。
 地球の生命の源となる物質は宇宙から飛来したとする仮説を、補強する材料になりそうです。

 見つかった有機分子は、炭素を骨格として水素や窒素、酸素、イオウなどが多様に組み合わさっていました。
 生物の体に必須のアミノ酸のほか、カルボン酸や炭化水素などが含まれていました。

 アミノ酸には、人の左手と右手と同様に、互いに鏡に映したような関係である左手型と右手型があり、地球の生命を構成しているのは左手型です。
 リュウグウ試料のアミノ酸の多くは左手型と右手型の比率がほぼ1対1で存在していて、アミノ酸が地球で混ざったのではなく、宇宙空間で合成されたことの証拠になるとのことです。

 また、別の分析で、試料が大量に含む黒色の固体有機物を調べたところ、複数の炭素などが無秩序に結合した高分子構造であることが判明しました。
 最古の太陽系物質である炭素質隕石が含む有機物の構造とよく似ていて、炭素質隕石のもとはリュウグウのような炭素質小惑星であるとする説を、初めて直接的に証明ました。

 これらから、生命の材料となり得る物質が存在するリュウグウのような炭素質小惑星の一部が、何らかの理由で隕石になるなどして地球に飛来し、生命の源をもたらしたとする仮説の補強が一歩進んだ格好です。

 何か、ロマンがありますね。
TOPへ戻る