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2023年バックナンバー

雑記帳

エレベーターの鏡

 エレベーターに鏡がついていることがあります。
 私の事務所のあるビルは、エントランスに4基(他に運搬用1基)エレベーターがありますが、1基のみ鏡がついています。
 そのエレベーターの廊下側の呼び出しボタンは、通常の高さの他、80cmくらいの位置にもついています。

 なぜ、エレベーターに、鏡がついているのでしょうか。

 車いす使用者が乗り降りする際に、エレベーターの出入り口を確認するためです。
 車いす利用者は、エレベーターに突っ込む形で乗ります。
 目的の階では、後ろ向きということになります。
 補助者がいればいいのですが、補助者がいなくても、鏡を見れば、エレベーターの出入り口が確認できます。

 なお、地下鉄の駅のエレベーターは、乗り口と降り口が反対ということが多いです。
 ホーム階でエレベーターに突っ込み、改札階で反対のドアが開いて、無事利用完了となります。
 改札階からホーム階におりる場合も同じです。

 鏡の大きさはどれくらいが適当でしょうか。
 「東京都福祉のまちづくり条例」施設整備マニュアルの中では、「かご入口正面壁面に、出入口状況確認用の床上40cmから150cm程度まである鏡を設ける」とあるそうです。
 「自分の全身が映る鏡の長さはどれだけあればいいか」という算数(数学)の問題を記憶されている方おられるでしょうか。
 入射角=反射角で、鏡から何センチ離れていようと、身長の半分の長さです。
 鏡の位置は、自分の目と頭頂部の中間の高さから、自分の目とつま先の半分の高さまでです。
 また、車いすに乗っている人用ですから、180センチの高身長の男性から、150センチの小柄な女性に対応している必要はなく、車いすの座席+目の位置は、背の高い低いは、あまり影響はないでしょう。
 ですから目的を達するためには、車いすにすわって1メートルが目線とすると、エレベーターの床から、50cm~120cm程度の鏡で十分ということになります。

 それでは、体裁が悪いですから、普通、全面鏡にしています。

 エレベーターの鏡は「広く見せるため」「犯罪防止のため」「身だしなみを整えるため」ではありません。
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