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2023年バックナンバー

雑記帳

犯罪組織が活動しやすい?カンボジアに詐欺団拠点 日本人19人拘束

 カンボジアを拠点にしていた日本の特殊詐欺グループの男19人が現地当局に拘束され、警視庁が、令和5年4月6日、詐欺容疑で逮捕状を取ったことが捜査関係者への取材でわかりました。

 「有料サイトの未払い料金がある」と偽り、電子マネーを詐取する手口でした。
 警視庁は近く捜査員を現地に派遣して身柄の引き渡しを受け、日本に移送して逮捕する方針です。
 捜査関係者によると、発端は、令和5年1月に「日本の詐欺グループがホテルを拠点にしている」との情報が現地の日本大使館に寄せられたことでした。

 日本大使館から連絡を受けた現地警察が令和5年1月、首都プノンペンから約180キロ離れた同国南部シアヌークビル州のリゾートホテルを捜索し、日本人の男19人の身柄を確保しました。
 19人は20歳~50歳代で、取り調べに「観光目的で入国した」などと説明したそうです。もちろん「特殊詐欺業に従事するため」とは記載していないでしょう。
 借りていた客室のうち、事務所として使っていたとみられる客室からは、大量の携帯電話や複数のパソコンのほか、詐欺の手口が書かれたマニュアルなどが見つかったそうです。

 警視庁が調べたところ、NTTドコモを装って日本の携帯電話にショートメールを送りつけ、メールに記載した番号に電話をかけてきた被害者に「有料サイトの未払い料金がある」とうそを言い、電子マネーを購入させる手口でした。
 被害者がかけた電話番号と、カンボジア当局が押収した携帯電話のラベルに記載されていた番号が一致したそうです。
 警察庁によりますと、有料サイトの未払い料金名目を含む架空請求詐欺の被害額は昨年、全国で約100億円に上りました。
 19人が拘束された後の今年2月も各地で約11億円の被害が出ていて、同様の手口を用いる詐欺グループがほかにも存在するとみられます。

 特殊詐欺事件では近年、警察による摘発を逃れるため拠点を海外に移す動きが目立ち、中国やタイ、フィリピンで日本人グループが摘発されています。

 捜査関係者によりますと、海外から日本に詐欺電話をかける手口が出てきたのは平成20年頃からだそうです。
 当初は中国が目立ち、平成29年には福建省で詐欺の電話役とみられる日本人35人が現地当局に拘束され、令和元年にも、吉林省を拠点に日本にオレオレ詐欺の電話をかけていたグループが摘発され、警視庁が幹部らを逮捕しました。
 今年に入り、指示役「ルフィ」らによる強盗事件に絡んでフィリピンから強制送還された男4人も、平成30年ころに、マニラ近郊で特殊詐欺グループを率いていたとされています。

 東南アジアは日本との時差も少ない上、携帯電話の購入時に個人情報の登録が不要な国が多く、犯罪組織が活動しやすいのではないかとの理由があるそうです。
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