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2023年バックナンバー

雑記帳

ドイツ・最後の原子炉3基が停止

 ドイツ最後の原子炉3基が、令和5年4月15日に稼働を停止しました。
 当時のメルケル政権が、平成23年に生じた福島第1原発事故により、日本ですら原子力発電事故が起きるのなら、ドイツで原子力発電を継続するのは危険であると判断して、原子力発電廃止に舵をきりました。
 ドイツの脱原発政策がこれで完了したことになります。

 運転が停止されたのは、バイエルン州の「イザール2」(イザール川)、バーデン・ビュルテンベルク州の「ネッカーベストハイム2」(ネッカー川)、ニーダーザクセン州の「エムスラント」(エムス川)の3基です。

 最大野党の中道右派・キリスト教民主同盟(CDU)と姉妹政党・キリスト教社会同盟(CSU)は、原発を止めれば電力価格が上昇するとともに、火力発電への依存度が高まり排出量が増えると批判し、CSUの党首を務めるゼーダー・バイエルン州首相は先に、残された3基のさらなる運転延長を政府に求めていました。

 ドイツでは、冷戦時代の核戦争への不安感やチェルノブイリ原発事故を背景に、伝統的に反原発意識が強いとされています。
 前記のとおり、福島第1原発で事故が起きると、当時のメルケル政権は国内全17カ所の原発を平成24年(令和4年)末までに閉鎖することを決め、原発を運営する電力会社への補償も進めました。
 当初の計画では令和4年末までに閉鎖される予定でしたが、ロシアからのガス供給が落込んだことを受け、令和4年11月に運転を延長することが認められていました。

 ドイツの令和4年の発電量の44%は再生可能エネルギーが占め、原子力の比率は6%でした。
 残りの大半は、石炭・ガス火力発電が占めています。
 ドイツ政府は令和12年までに再生可能エネルギーの比率を80%に引き上げることを目指しています。

 何が正解かは分かりません。
 ただ、ドイツは、原子力発電をやめてしまったことになります。 
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