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2023年バックナンバー

雑記帳

簡裁事件の増加と長期化

 弁護士特約の普及で、全国の簡易裁判所で物損事故などを巡る訴訟が急増し、審理も長期化しています。

 簡易裁判所で自動車事故の物損が増加し、長期化していると言うことでした。

 物損事故などを巡る訴訟が急増している原因と考えられているのが弁護士保険の普及である。原告や被告に弁護士が付く割合は約62%(2000年)から約94%(2015年)に上昇し、これに伴い、本来の争点とは関係がない細かい点まで争うケースも増加しています。

 簡裁は請求額が140万円以下と少額の訴訟を簡易な手続きで迅速に解決するところであるが、近年は賠償請求額より弁護士費用の方が高かったり、勝訴の見込みが薄くても裁判を続けたりする例が後を絶たないということです。

 全国の簡易裁判所で物損事故などを巡る訴訟が急増し、審理も長期化している理由は簡単です。

 弁護士特約を使えば、等級は落ちず、自由に弁護士に依頼できます。

 物損の事件は訴額が低く、着手金8%+成功報酬16%+税では割が合いませんから(40万円で9万6000円+税となります。ちなみに、着手金の最低額を10万円している弁護士がほとんどでしょう。成功報酬を加えるともっと多額になります)、1時間2万円+税、60万円+税までという時間制で事件を受任して、保険会社から報酬をもらうからです。

 弁護士不況がつづいています。

 はやっていない弁護士さんは、食うに困ることが多いです。

 物損事件など、喜んで受任し、主張や証拠の乱発で審理が長引かせて、時間給を稼ごうとしているとしか考えていないのではと勘ぐりたくなる弁護士さんがいます。はた迷惑な話ですが・・

 弁護士不況と、食えない弁護士の増加が、簡裁事件の遅延の主たる原因と思います。

 費用を出さずに済む依頼者が不当な主張をすることが増え、弁護士も言いなりになりがち、また、弁護士が依頼者をけしかけることもあり、争点を増やし、訴訟長期化の要因になっています。

 「ドライバーの車への愛着について細かく主張し、賠償の増額を求めてくる」「ブレーキの踏み遅れに関して履物の種類まで争う」「和解に応じず控訴をする」ということですね。

 はやっていない弁護士でも、弁護士は弁護士、簡易裁判所裁判官のほとんどは司法試験に合格していない書記官からの内部昇進組ですから(高裁所在地の簡裁のトップやトップに近いに近い簡易裁判所裁判官は、70歳定年が魅力(地家裁は65歳定年)で、地家裁からの移動組がいます)、基本的力量に差があります。

 また、弁護士も、生活がかかっているから必死でしょう。


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