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2023年バックナンバー

雑記帳

ローマ法王とローマ教皇どちらが正しいのか

 日本のマスコミでは、カトリックのトップのことを、「ローマ法王」と呼んでいます。
 教会では「ローマ教皇」を使います。

 以前はたしかに、日本のカトリック教会の中でも混用されていました。そこで日本の司教団は、1981年2月のヨハネ・パウロ2世の来日を機会に、「ローマ教皇」に統一することにしました。「教える」という字のほうが、教皇の職務をよく表わすからです。
 その時以来、たびたびマスコミ各社に「ローマ教皇という名称を使ってください」とお願いしていますが実現していません。

 日本で何と呼ぶかだけの問題です。
 正式には「Papa」(イタリア語)です。
 また、英語なら「Pope」、ドイツ語なら「Papst」ですね。

 日本に悪意はありません。
 日本とバチカン(ローマ法王庁、つまりローマ教皇庁)が外交関係を樹立した当時の定訳は「法王」だったため、ローマ教皇庁がその名称で日本政府に申請したからで、「教皇」としていたら「教皇」になっていたことになります。
 ですから「ローマ法王」と「ローマ教皇」が混在しているだけの話です。

 ただ、「ローマ教皇」という呼称で呼んでほしいということですから、それに従うのが礼儀かと思います。

 この点で、バチカンがこだわるのは「王」が「皇」より格下だからという人がいます。
 宗教のトップとして、教えの皇帝=教皇がふさわしく、「法王」では1ランク落ちるということかも知れません。
 ローマ教皇は、日本の天皇と同一の地位であり、格下の呼称ではおもしろくないということかもしれません。

 なお、日本の天皇陛下は、「Emperor」(英)や「Kaiser」(独)と呼ばれますし、中国や台湾でも「天皇」とよばれます。
 唯一、韓国だけが、一部のマスコミや人が「日王」と呼びます。
 理由は、皇帝は単純に言えば「王の中の王」で「王」より格上、「朝鮮半島ではChina の皇帝以外は認めていないから」という理由と、「朝鮮半島には王しかいなかったので、日本より格下になってしまうから」(この点は、1897年から1910年に大韓帝国が存在しました。日清戦争における下関条約で李氏朝鮮が清の属国を脱した後、日本が大韓帝国を併合するまで)という理由のようです。
 中国も「天皇」と呼んでいるのに、肝っ玉が小さいですね。
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