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2023年バックナンバー

雑記帳

災害支援とオスプレイ

 大地震が起きると、余震が長く続き被災地支援も大変なようです。
 少し前ですが、熊本地震がありました。
 現在は、天守閣などは復旧しています。天守閣の中は、階段やエレベーターがついていて、復旧は外観だけです。

 熊本地震の際、輸送支援に当たっている在日米海兵隊は、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが、平成28年4月18日、海上自衛隊の大型護衛艦「ひゅうが」に着艦し、救援物資の搭載と燃料補給の実施を開始しました。

 また、海上自衛隊の最新・最大の大型護衛艦「いずも」も、平成28年4月19日、北海道・小樽港から熊本に向けて出発しました。
 護衛艦「いずも」と護衛艦「ひゅうが」は、空母のように艦首から艦尾まで続く「全通甲板」が特徴で、海上自衛隊では「護衛艦」という名称なっていますが、海外では、ヘリ空母に分類されています。
 「いずも」「かが」は、F35が発着陸できる空母に改造中ですが、「ひゅうが」は改造できません。
 といいますか、「いずも」「かが」は、最初から、空母に改造できるよう設計された護衛艦です。

 オスプレイは、ご存じのとおり「ヘリコプターの垂直離着陸機能」と「固定翼機の高速飛行」の長所を兼ね備え、米軍の輸送ヘリCH46に比べ速度や輸送量などの性能も優れています。
 滑走路が不要のため、山間部などでの災害支援に適しているとされ、フィリピンを襲った台風や、ネパール大地震などの際に出動した実績があります。
 従来型のCH-46と比較し、最大速度は2倍、搭載量は3倍、行動半径は4倍ですから、比べものにはなりません。

 オスプレイについては「危険」との誤解もあるようですが、通常の軍用ヘリコプターよりも事故率は低く(もともと軍用ヘリコプターの事故率は高いです)、また、戦闘機と違って脱出装置がありませんから、墜落すると死者がでる確率が高いということで、アメリカは、従前型の軍用ヘリコプターを製造することはありません。
 今は「併用」ですが、いずれ、オスプレイだけが実戦運用されることになります。
 陸上自衛隊は、オスプレイの導入を予定しています。
 合理的ですね。

 なお、熊本県を中心とする大地震に、自治体の物資分配が機能してないことと、陸路が分断されてることを考慮すれば、「いずも」「ひゅうが」のような大型艦を物資満載にして海上基地にして、輸送効率の良いオスプレイのピストン輸送で被災地に直接届けるのは合理的で、「オーバースペック」という意見はあたりません。

 また、来たるべき東海地震・東南海地震・南海地震、あるいはこれらの複数の連動地震に備えることは大切でしょう。
 なお、「いずも」「ひゅうが」と「オスプレイ」による実戦訓練もできて、まさに一石二鳥ですね。
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