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2023年バックナンバー

雑記帳

49ユーロチケット

 ドイツでは、令和5年5月1日から、49ユーロ(約7300円)の公共交通定期券「ドイチュランドチケット」が発売されました。
令和5年5月1日だけで300万枚以上売れたそうです。

 このチケットは1枚で、一部を除き、ドイツ全国の鉄道・バス・市街電車を、1か月49ユーロで使用できます。
 いわゆる「サブスク」(サブスクリプション。subscription)で、毎月49ユーロを支払って、利用することができます。
 口座引き落としで、ドイツの銀行に口座を持っていないと購入できないらしく(この点は、あいまいです)、旅行者が利用できるものではありません。

 「ICE」「IC」「EC」「ECE」など、特急料金の必要な列車には乗れません。
 特急料金を支払っても乗れません。

 特急券の不要な列車は「IR」、「R」の列車で、近郊線(S-Bahn)、地下鉄(U-Bahn)、路線バス、市街電車に乗ることができます。
 なお、登山鉄道などには乗れません。
 もっとも、ドイツの「IR」は、あまり駅に停車せず、時間も「ICE」「IC」「EC」「ECE」と、さほど変わらない列車が、1時間や2時間に1本出ていますから、日本の青春18切符のように、鈍行に乗らねばならず、時間がかかりすぎるということはありません。

 ドイツ鉄道のアプリをインストールすれば、日本の「乗換案内」や「駅スパート」のように、いつ発車の列車に乗ればいつ到着するか、いつまでに到着するには、いつ発車の列車に乗らなければならないかという表示ができます。

 日本の「乗換案内」や「駅スパート」には、特急列車を利用しない「青春18切符検索」機能が着いているのが普通ですが、ドイツ鉄道のアプリのオプションで、「ICE」「IC」「EC」「ECE」を除いて検索する機能が付いています。
 もともと、州内のみ有効な「ICE」「IC」「EC」「ECE」だけには乗れないチケット(近郊線、地下鉄、路線バス、市街電車に乗ることができます)は、ずいぶん昔から販売されていますから、オプションをつけられることは当然ともいえます。

 私自身、今年の大型連休に、ドイツ、オーストリア、チェコを旅行しましたが、ドイツ国内は、バイエルン州チケットをオンラインで購入し、検札の際に、QRコードを見せるだけでした。

 その昔は、「IR」、「R」の列車は、検札の車掌が、1人1人、スマートフォンのQRコードを読み込んで有効な切符かどうかを確認していましたが、あまりに49ユーロチケットのQRコードを示す人が多いので、乗客が多くなりすぎたためなのか、無精をして、ドイツ人と思われる人については、スマートフォンのQRコードを読み込んで有効な切符かどうかを確認する作業はしていませんでした。
 外国人である私は、49ユーロチケットを持っている確率は低いですから、QRコードを見せると、「左側の画面を見せて」といい、指示どおりにすると、スマートフォンのQRコードを読み込んで有効な切符かどうかを確認せずに、「Danke」といって、次の乗客の検札にかかっていました。

 ちなみに、「ICE」「IC」「EC」「ECE」については、乗客も少なく、駅間の距離があり、たっぷり時間があるからなのか、私のスマートフォンのQRコードを読み込んで有効な切符かどうかを確認する作業をしていました。

 日本でも発売しませんかね。


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