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2023年バックナンバー

雑記帳

朝鮮戦争休戦70周年

 朝鮮半島では、太平洋戦争終戦後、38度線を境界として「南側にアメリカ軍、北側にソ連軍」という分割占領策が始まりました。

 第2次世界大戦後の戦後処理をめぐって、昭和20年12月28日モスクワ三国外相会議(アメリカ、イギリス、ソ連)の決定が発表され(いわゆる「モスクワ宣言」)、朝鮮に関しては5年の信託統治を行うことが明らかにされました。
 もちろん、韓国や北朝鮮は戦勝国ではありません。独り立ちできるようになるため、信託統治が必要な「地域」とみなされていました。信託統治がなされる「地域」は11ありました。現在は、すべて、独り立ちしています。

 70年前の昭和25年6月25日、13万人超のソ連兵力の支援を受けた北朝鮮軍が事実上の国境線となっていた38度線を越えて韓国に侵略を仕掛けたことで朝鮮戦争が勃発しました。

 アメリカを中心とする国連軍が直ちに大韓民国を防衛し、国際連合安全保障理事会では北朝鮮の行動に対する非難決議が行われました。
 中華人民共和国(中国)は国連加盟国でしたが、同戦争では北朝鮮を支持して中心的な同盟国となったことで、紛争は「共産主義」対「民主主義」の様相を呈しました。

 朝鮮戦争は国連設立以来初めての戦争で、設立時の51ヵ国の国連加盟国のうち16ヵ国が派兵し、日本を含む他の加盟諸国は韓国に後方支援を提供したことになっています。
 現実には、日本は、後方支援だけではなく、仁川港の水中機雷の除去のための兵を出していますし、殉職者もいます。
 のちになって発表されたことです。

 国連軍と中朝連合軍との戦いは昭和28年(1953年)7月27日に休戦に至るまで続けられました。
 平和条約が締結されたわけではないため、韓国と北朝鮮は現在も戦争中です。
 朝鮮戦争休戦協定により、戦争の起点となった北緯38度線付近に事実上の新たな国境となる軍事境界線が確立されました。
 これにより、韓国の領土が3880平方キロ拡大し、4キロ幅の非武装地帯(DMZ)が設置されました。

 朝鮮戦争により朝鮮半島全土が荒廃しました。
 ニューヨーク・タイムズ紙が報じたところでは、300万人から400万人の死者が発生したと伝えられていますが、北朝鮮からの情報が不足しているために正確な人数は未だに不明です。一部の歴史家によると、死者の50%から70%は民間人であった可能性があるとされています。
 ちなみに、第二次世界大戦における日本の死者は、軍民合わせて230万人ですから、死者の多さが分かります。

 休戦協定が締結して以来、韓国と北朝鮮は共存しながら、異なる歴史を紡んできました。
 韓国は、アメリカと日本の援助により、GDPが世界13位の国まで発展しました。
 北朝鮮は、国民が飢えるのもお構いなし、核兵器とミサイルにうつつを抜かしています。

 その昔、冷戦の結果、南北ベトナム、韓国と北朝鮮、東西ドイツという分断国家がうまれました。
 統一できていないのは、韓国と北朝鮮だけですね。
 韓国国民、北朝鮮国民は、建前は別として、本当に統一を希望しているのでしょうか。

 アメリカ、ロシア、中国などの軍事強国としては、北朝鮮の核を除き、「緩衝地帯」としての存続を希望するなら、「南北分断」の現状は悪くないのかも知れません。
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