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2023年バックナンバー

雑記帳

次世代原発、三菱重工が統括へ

 経済産業省は、次世代型の原子力発電所の開発で設計を統括する中核企業を三菱重工業にする方針を固めました。
 安全性の高い原発の開発を加速させ、エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立を狙います。

 中核企業は、高温ガス炉と高速炉の開発で、機器や部品メーカー、ゼネコンといった参画企業を取りまとめる役割があります。
 工程管理や規制当局との対話、地元対応を担う開発の司令塔の組織とも連携します。
 司令塔は、国の研究機関や電力会社が持つ能力を結集させます。

 高温ガス炉は、核燃料から出る熱をヘリウムガスで取り出して発電する原子炉です。
 950℃という高温エネルギーを供給できる原子炉で、二酸化炭素フリーの大量水素製造が期待されています。
高温ガス炉は2030年代に実証炉の運転を目指します。

 高速炉は効率的に燃料が反応し、放射性廃棄物を減らすことも期待できます。
高温ガス炉は2040年代に実証炉の運転を目指します。
 事故時には輻射伝熱で核燃料が冷えます。

 政府は二つの炉の開発に向けて、令和5年度以降の3年間で計900億円の予算を確保しています。

 日本は次世代原発として、高速増殖炉「もんじゅ」の開発を進めてきましたが、トラブルが相次ぎ、平成28年に廃炉を決めています。
 本当かどうかはともかく、開発に参加した企業の役割分担が曖昧だったことも、失敗の要因といわれています。

 高温ガス炉は2030年代、高速炉も2040年代に、実証炉の運転を目指すします。

 三菱重工業は、関西電力や九州電力が運転している加圧水型軽水炉を作ってきたメーカーです。
 平成21年の北海道電力泊原子力発電所3号機の運転開始が最後の新設炉になります。

 いずれも、福島第一原子力発電所事故のような燃料溶融が極めて起きにくい、物理的に安全な原子炉といわれ、茨城県大洗町で研究炉が運転されています。
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