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2023年バックナンバー

雑記帳

日本の無電柱化

 ヨーロッパの先進国の街に行くと、電柱がないことに驚かされます。
 日本では、いくら大都市でも電柱があることが多いですね。
 訪日した外国人から、電柱だらけで景観が損なわれていると評されることもあります。

 ロンドンやパリといったヨーロッパの主要都市では、古くから電線の地中敷設が当たり前で、またソウルやマニラといったアジアの各都市ですら、近年は無電柱化が進み、現在の無電柱化率は50%に迫る勢いとのことです。

 日本の無電柱化は遅れに遅れており、東京23区における無電柱化率は7%程度です。
 その他の国内主要都市にいたっては、それを下回る状況であるとのこと。それもそのはずで、日本では現在も、年間約7万本ペースで電柱が増え続けているんだそうです。

 電柱を、今後できる限り無くしていこうとする「無電柱化プロジェクト」が、現在着々進行中ではあります。
電柱が無くなれば、上空を行き交う電線が無くなり、それにより各地の景観が格段に向上するというメリットがあります。

 また地震や台風といった災害が発生した際には、電柱が倒れて家屋が倒壊したり道路をふさぐといった事態も防げます。

 しかし、無電柱化を妨げる要因は、いくつかあります。

1 コストがかかりすぎる。
2 既存の埋設占用物を避けて設置するだけの余裕がない。
3 維持管理が困難。
この3つの理由が大きいかと思います。

 さらに、日本から電柱がなくならない理由について記事は、戦後の急速な経済復興には電柱が便利であったという歴史的要因、戦後生まれの日本人には電柱が幼少期の記憶の一部に刻まれたため、電線がないと違和感がある文化的要因があるとされています。

 ただ、いずれにせよ、無電柱化は避けられません。
 大規模な工事が必要な従来の埋設法ではなく、より浅い地中に電線を埋める「直接埋設」を、交通量の少ない道路では導入することで、コストの大幅圧縮が図れるそうです。

 また「無電柱化」の動きが活発化すれば、電線埋設に関する技術革新が進み、それにより更なるコストダウンも見込めそうです。
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