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2023年バックナンバー

雑記帳

マイナンバーカード交付申請は、なぜ任意

 マイナンバーは強制なのに、マイナンバーカードはなぜ任意なのでしょう。

 「マイナンバーカードは、原則、本人が申請しなければなりません」「ただし、15歳未満および成年被後見人の方は、法定代理人による代理申請が可能です」となっています。

 なお「マイナンバーカードの交付は、法律の定めにより原則としてご本人の来所が必要となっています」「特別な理由がある場合は、市区町村長が認める任意代理人により申請が可能ですので、住民登録のある市区町村にご相談ください
1 成年被後見人、被保佐人、被補助人
2 中学生、小学生および未就学児
3 高校生、高専生
4 海外へ留学されている方
5 妊婦
6 長期出張者、長期渡航者
7 要介護、要支援認定者
8 75歳以上の高齢者
9 病院へ入院、施設に入所されている方
10 障がい者」

 弁護士をしていると、高齢などのため、意思能力のない人が結構みます。
 何の問題もありません。
 特段財産がなければ成年後見、成年補佐、成年補助の申立てる理由はありません。
 特に成年後見は、その昔「禁治産者」と呼ばれていた制度に近く、自分の親を被成年後見人にしようと考える子供は多いです。

 本人が多額の財産をもっていて法定相続人が生前に財産を何とかしようと思っているとか、本人の財産を使わないと本人の施設台や生活費が出ず、子に経済的余裕が全くない場合、遺産相続や固有必要的共同訴訟など、全員を当事者にしなければならない場合などは、仕方なく、成年後見、成年補佐、成年補助の申立てることになります。

 マイナンバーカードの申請を任意にしてしまうと、意思能力のない高齢者や障がい者は、マイナンバーカードの申請ができません。
 現実には、老健施設や病院などが、意思能力があると偽ってマイナンバーカードを申請しているケースがあるのでしょうね。
 本来は、有印私文書偽造などの犯罪ですが、誰も文句をいう人はないだけでしょう。

 マイナンバーカード発行や更新を医療機関の受診に義務づけるということになると大変です。
 法律を遵守しようとすると、成年後見申立が激増してしまい収拾がとれません。
 せっかく、安らかに余生を過ごしている高齢者に、マイナカード発行のため、成年後見申立をするというのでは、本末転倒です。

 政治的理由によるのでしょうね。
理屈の上からすると、マイナンバーを強制にしたのなら、マイナンバーカードも強制にしても、何の問題もありません。
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