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2023年バックナンバー

雑記帳

処理水放出で中国がフェイクニュース 外務省「多言語」発信で応戦

 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出計画をめぐる、「風評加害」に対する日本政府の戦略が動き出しました。

 令和5年8月18日に米国で開催される日米韓首脳会談で議題に上げ、中国が処理水を「核汚染水」と呼び、科学的根拠に基づかない偽情報を拡散していることに、3カ国で対抗する構えです。

 日本外務省も多様な言語とSNSを駆使して、正確な情報発信を進めている。

 外務省の外務報道官は令和5年7月26日の記者会見で、中国は処理水放出を対日批判の「外交カード」とし、国際社会に偽情報の発信を強めており、看過しえないと述べました。

 福島第1発電所では、トリチウムの濃度を国の規制基準(1リットル当たり6万ベクレル)の40分の1、世界保健機関(WHO)の飲料水基準の7分の1に希釈して流す計画です。
 年間排出量は、事故前の管理目標と同じ22兆ベクレル未満を予定しており、国際基準をクリアしています。

 中国は、科学的根拠もなく、また、自国の原子力発電所の流すトリチウムが、福島第1発電所の処理水に含まれるトリチウムより1桁多いにもかかわらず、処理水放出に異を唱えています。

 外務省は令和5年7月21日、英語版公式ツイッターで、処理水の安全性に関する動画を発信したが、表示数は157万回を超えています。
 ユーチューブの公式チャンネルに令和5年4月に公開されたもので、再生回数は約514万回にも上っています(いずれも令和5年7月31日朝時点)。

 この動画には、日本語と英語のほか、韓国語、中国語、フランス語、スペイン語、ロシア語、アラビア語などの多言語の字幕も付いています。
 令和5年7月以降も処理水に関する3本の動画を公開しました。

 エネルギー事情に詳しいジャーナリストの石井孝明氏は「処理水の風評被害は、中国や韓国左派などによる嫌がらせだ。日米韓首脳会談で連携した発信ができれば非常に期待できる。国際世論にも響く。中国は日本を貶めることで、太平洋諸国の分断を図ろうとする意図もみえる。外務省のSNSへの反応も『科学的に正しい情報を知りたい』という世論の表れだろう」と語っています。 
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