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2023年バックナンバー

雑記帳

風疹、麻疹の増加傾向とワクチン接種が必要な世代

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、令和5年5月8日に「2類相当」から季節性インフルエンザなどと同様の「5類」へ移行されました。

 コロナ後、感染症の中でも特に懸念されるのが風疹と麻疹(ましん。「はしか」)の流行といわれています。

 風疹は「風疹ウイルス」による感染症で、飛沫感染で広がります。
 患者は特に30~50代の男性が多いとされています。
 風疹は軽い風邪に似た症状で始まり、37度から38度の発熱とともに耳の後ろ側から全身に赤いぶつぶつの発疹が現れます。
 発熱と発疹、腫れが3日前後で治まることから「三日はしか」とも呼ばれます。

 一方の麻疹は、空気、飛沫、接触により感染し、感染力が極めて強く、手洗いやマスクの装着だけでは防げません。
 免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症しますが、一度感染・発症すると一生免疫が持続するといわれています。
 麻疹ウイルスに感染すると、10日前後の潜伏期を経て38度前後の発熱や倦怠感、上気道炎症状が2~4日続き、いったん解熱した後に再び39度以上の高熱が出て、体中に発疹が現れます。
 発疹は3日ほどでひいて回復に向かいますが、ウイルス性脳炎や細菌性肺炎などの合併症により死亡する例もあります。

 日本では「麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)」を接種することで、95%程度の人が風疹・麻疹ウイルスに対する免疫を獲得することができるといわれています。
 1回の接種で免疫がつかなかった人の多くは、2回の接種で免疫をつけることができます。

 風疹については、特に昭和37年4月2日から昭和46年4月1日生まれの男性は、ワクチン定期接種の機会がなかったため、免疫を持っていない可能性があります。
 また、麻疹については2回の定期接種が義務化されたのが平成元年4月2日以降です。それ以前に生まれた人は予防接種が1回未満の世代になり、こちらも免疫が十分でないかもしれません。

 予防接種歴が分からない場合は、抗体検査を受けると免疫の有無がわかります。
 成人でもワクチンは有効なので、もし検査で免疫が十分でなければ、積極的にワクチンを接種をお薦めします。


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