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2023年バックナンバー

雑記帳

紀州鉄道

 和歌山県に紀州鉄道という私鉄があります。
 御坊発西御坊行きの列車です。
 JR紀勢線御坊駅と西御坊駅間の約2.7キロを結ぶ紀州鉄道は「西日本一短い私鉄」として知られています。

 御坊臨港鉄道が経営する紀州鉄道線は、1931年に開業ました。当初から経営は厳しく、1960年代には廃止の危機に追い込まれていました。
 これに目をつけたのが、東京の磐梯電鉄不動産です。不動産会社です。
「鉄道会社の不動産部門」という信用を得るため、また「鉄道会社」というネームバリュー獲得のため御坊臨港鉄道を約1億円で買収しました。

 紀州鉄道株式会社(本社・東京)は、不動産・リゾート開発を営む鶴屋産業の傘下に入り、現在に至るまでリゾート開発を軸とする不動産業を主力部門としており、鉄道事業収益の割合は微少で実態は不動産会社です。

 平成22年当時の営業係数は367.8(100円稼ぐのに367.8円必要です)であり、現存する日本国内の鉄道では最も悪い数値ですが、廃止の話はありません。
 もともと、「鉄道会社の不動産部門」という信用を得る目的ですから。
 ちなみに「学門駅入場券」は、右が「入学」となっていて、縁起物として、記念切符・記念グッズの販売も行っています。

 和歌山県は、私が大学生のころ、全県の鉄道がすべて電化されたと祝賀式をしています。
 しかし、厳密にいえば、紀州鉄道はディーゼル車ですし、紀勢本線の新宮市内、新宮駅から三重県との県境に当たる熊野川橋梁までの区間(JR東海)は、電化されていません。

 電化率は可もなく不可もなくということですが、一部中小私鉄を除いて電化がされていないのが、徳島県と高知県です。
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