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2023年バックナンバー

雑記帳

尹大統領「国連司令部の日本基地7カ所、北朝鮮の南侵を抑制」光復節祝辞で異例の言及

 韓国の尹錫悦大統領は、令和5年8月15日、梨花女子大学大講堂で行われた光復節78周年記念式の祝辞で、韓国の安全保障と経済において日本は欠かせない存在だと強調しました
 他方、日本帝国主義の朝鮮半島統治35年弱(1910年8月29日の朝鮮併合から、1945年8月15日のポツダム宣言受諾まで)に関しては全く言及しませんでした。

 尹大統領は「日本は今や韓国と普遍的価値を共有し、共同の利益を追求するパートナー」であり「安保と経済の協力パートナー」であると述べました。

 尹大統領が北朝鮮の脅威を取りあげ、日韓安保協力の領域を拡大しようとしているということになります。
 尹大統領は「日本が国連(軍)司令部に提供する7カ所の後方基地の役割は、北朝鮮の南侵を遮断する最大の抑制要因」であるし「北朝鮮が南侵する場合、国連軍司令部の自動的かつ即時的な介入と報復が行われることになっており、日本の国連軍司令部後方基地はそのために必要な国連軍の陸海空戦力が十分備蓄されているところ」と述べました。
 韓国の安全保障にとって、日本に置かれた国連軍司令部の後方基地の「軍事的貢献」が最も決定的な役割を果たしていると強調しました。

 国連軍司令部は、朝鮮戦争当時に国連安全保障理事会決議によって参戦した多国籍連合軍司令部のことです。
 現在はアメリカ・イギリス・タイ・カナダ・オーストラリアなど17か国が参加しています。
 国連軍司令部は停戦協定管理の他、朝鮮半島武力衝突時に国連安保理次元の別途の決議がなくても戦力を自動で提供することになっています。
 横須賀・横田・佐世保・キャンプ座間など日本本土にある4か所の基地と嘉手納・普天間・ホワイトビーチなど沖縄島の3か所などの後方基地が韓国の国連軍司令部を後方から支援しています。
 尹大統領は「北朝鮮が南侵する場合、国連軍司令部の自動的かつ即時介入と報復がその後に伴うことになっている」とし「日本の国連軍司令部後方基地はこれに必要な国連軍の陸・海・空の戦力が十分に備蓄されているところ」と強調しました。
 北朝鮮の核やミサイル脅威が高まり、これに伴う朝鮮半島の安全保障不安が大きくなっている状況で、戦争勃発など最悪の事態を防止するためには国連軍司令部を媒介とした日本との協力が不可欠だという意味だと解釈することができます。

 さらに、北朝鮮の核・ミサイル情報を日本とリアルタイムで共有することも既成事実化しました。
 尹大統領は「北朝鮮の核とミサイルの脅威を源泉から遮断するためには、日米韓3か国間の緊密な偵察資産の協力と、北朝鮮の核・ミサイル情報のリアルタイムでの共有がなされなければならない」と述べました。
 日米韓3か国間の北朝鮮核・ミサイル情報リアルタイム共有は、令和5年8月18日に実施された日米韓3か国首脳会議の中心的議題でした。
 尹大統領は「キャンプデービッドでの韓米日首脳会議は、朝鮮半島とインド太平洋地域の平和と繁栄に貢献する3か国協力の新たな道しるべになるだろう」と述べました。

 さらに尹大統領は、日米韓3か国の安保協力の範囲を、北東アジアを越えて「大西洋と欧州」に広げる考えも強調しました。
 尹大統領は「韓国の安全保障はインド太平洋地域の安全保障、大西洋と欧州の安全保障、グローバル安全保障のような軸線上に置かれている。NATO(北大西洋条約機構)との協力を強化することも非常に重要だ」と述べました。


 考えてみれば、朝鮮戦争が休戦となり、韓国が現在存在するのも、日本が国連軍の基地使用を許していたからであり(もっとも、日本に拒否する権限はありませんでした)、現在も、日本にある米軍基地がなければ、北朝鮮が攻めてきたら、ひとたまりもないでしょう。
 北朝鮮が韓国に侵略したきたときに、国連軍は、日本内の基地を使って防戦するということになります。
 台湾有事の際は、一応、日本に、在日アメリカ軍基地の使用を許すかどうか、判断する権限はあるのですが、国連軍の日本国内の基地使用を許してしまうと、日本も戦争の危険にさらされるのですが、日本国内の基地使用を許さないと、アメリカは、グァムなどに戦闘機等の戦力を移してしまい、今度、日本が他国から侵略された場合、アメリカ軍が助けてくれない恐れがあるので、基地使用は許さざるを得ないでしょう。

 なお、韓国のいわゆる「韓国盾論」はおかしな話で、アメリカが北朝鮮を攻撃できない理由は、北朝鮮の残存した地上の通常兵器で、ソウルが壊滅させられる危険があるというのも理由の1つで、敵からの通常爆撃で首都が壊滅するというような国境(休戦ライン)近くに首都を置き、首都圏に大半の人口(アメリカ人含む)が住んでいるというのは、どう考えても不合理です。
 冷戦期に、西ドイツは、ライン川の西側の小都市ボンに首都を置いていて、戦車が来ても、ライン川の橋を爆破すれば、首都は陥落しないようにしていました。
 韓国が、ソウルに首都をおくということで、韓国にいる日本人やアメリカ人が、人質になっていることと同義といえます。
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