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2023年バックナンバー

雑記帳

処理水放出でビジネス失う「中国リスク」直撃

 日本の水産物を扱ってきた業者が、政治の風向きでビジネスを失う「中国リスク」に直面しています。
 東京電力福島第一原発の処理水放出を受け、中国と香港は、令和5年8月24日から日本産水産物が全面禁輸としました。

 農林水産省の統計(令和2年の農林水産物・食品の輸出額)によりますと、令和2年の水産物の輸出総額は3873億円で、輸出先の1位は中国、2位が香港、3位がアメリカとなっています。
 中国向け輸出額は871億円、香港向けは755億円です。
 令和2年の日本の財貿易は、輸出額が68兆4005億円ですから、0.23%くらいでしょうか。知れてますね。

 ホタテ貝、なまこ、かつお、まぐろなどです。
 ホタテ貝は猿払村に「ホタテ御殿」が建っているとのニュースも記憶に新しいところですね。
 なお、中国香港を合わせても、日本人が1人、1300円分ホタテ貝、なまこ、かつお、まぐろを購入すればよい理屈です。
 ホタテ貝、なまこ、かつお、まぐろなどは、日本で消費すればよいのではないでしょうか。中国に輸出しているのは、船賃とかを出しても割が合うくらい買値が高いから輸出しているのですから、安くなることはやむを得ませんが・・

 中国は、政治的な理由で、オーストラリア産の牛肉、大麦、石炭、台湾産のパイナップル、マンゴーなどの輸入制限措置をとります。
 日本政府は、令和5年8月25日、日本の水産関係者へ救済措置を講じる検討に入りました。
 日本の漁業関係者としても、政治理由によるリスクのある中国との取引がうまくいかなくなったからといって、過度に補填する必要はないように思います。

 中国は、台湾防衛で、韓国とともにアメリカに協力する日本に不満を持っています。
 また、オランダとともにアメリカに協力し、先端半導体を中国につくらせないようにするとの政策をとる日本に不満を持っています。
 また、不動産市況が悪く、失業率も高く、とりわけ新卒の若年層は半分近くが就職できていないというくらい経済が落ち込んでいます。
 中国は日本という仮想敵をつくることで国民の不満をそらそうとしているということでしょう。

 中国以外の国は、中国に同調していないので、まず外交的には中国の異質性を世界にアピールするのが大切ですね。

 なお、中国人の団体客などのキャンセルも続いているそうですが、個人旅行のできる裕福な中国人なら、最小限度のマナーを心得ているでしょうが、団体客などは、商売に関係のない日本人にとって、迷惑なだけでしょう。
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