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2023年バックナンバー

雑記帳

国民年金基金

 厚生年金に加入している会社員に比べ、老後に受け取る公的年金が少ない自営業やフリーランスの年金額の差は月額10万円ともいわれています。

 国民年金基金という制度があります。国民年金に加入して給付を受ける「老齢基礎年金」に上乗せして年金を支給する組織で、会社員が受給する「厚生年金」に相当する公的な年金となります。

 民間の生命保険会社などと違い、社会保険料控除や公的年金控除などの優遇を受けることができます。
 上限は、月額6万8000円、年額81万6000円です。
 これが、課税所得から全額控除されますから、使わない手はないというものでした。
 私は、確定拠出年金制度ができてから、そちらに移行しました。

 47都道府県に設立された「地域型基金」と、25の職種別に設立された「職能型基金」があり、全国で72団体が設立されています。
 給付タイプは、1口目は、終身年金タイプを選択するのが義務ですが、2口目以降からは、終身年金タイプのほかに、給付期間が定まった確定年金タイプなど7タイプから選択することができます。

 弁護士は、通常、「職能型基金」に加入します。
 私も加入しています。
 国民年金基金は、一律65歳からの支給です。
 私は、繰り上げも繰り下げもしていません。

 国民年金基金の一番大きなデメリットは、物価スライド制に対応していないことです。

 物価スライド制とは、物価の変動に応じて年金額を改定する制度です。
 国民年金は、物価スライド方式であるため、インフレで物価が上がると、それにあわせて年金の給付額も上がる仕組みになっています。
 厚生年金、共済年金も同じです。
 しかし、国民年金基金では、物価スライド式ではないため、将来、インフレが起こってしまったときに、給付される年金額では足りず、生活がしていけない恐れがあります。
 日本では、長期間のデフレになりましたが、インフレ基調になっています。
 インフレに対応できる物価スライド式を採用していないことは、国民年金基金のデメリットといえるでしょう。といっても、物価スライドなど、最初から無理な仕組みです。

 私の場合、失われた30年で物価が、さほど上がりませんでしたから、受給開始時に「こんなはずでは」ということはありませんでした。
 ただ、将来、基礎年金と共済年金は、物価スライドするのに対し、国民年金基金は物価スライドしません。
 インフレになっていますから、その分だけ目減りしてしまいます。
 もっとも、基礎年金と共済年金は、マクロスライドのためろくにあがらず、やはり目減りしていきます。

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