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2023年バックナンバー

雑記帳

お客様窓口

 通常規模の会社・組織になると「お客様窓口」をもうけています。

 もちろん、理不尽な要求の内容をしてくる「クレーマー」もいるのですが、中には、傾聴すべき「貴重な意見」を聞けることがあります。
 実はこの「クレーム」こそが、会社・組織を一番成長させることにつながることもありえます。

 「お客様のご意見」により、会社の製品の欠陥や組織の欠陥などがわかる場合があり、迅速に手当することにより、会社・組織にとって大きな利益を得ることができます。

 大きく分けますと「お客様窓口」の扱いでその会社・組織の「度量」がわかります。

 「お客様」をクレーマーとしかとらえていない会社は、あまり知識のない専門性の低いオペレーターを利用します。
そうすると、専門性のある質問をしても明確な答えが返っきませんし、その後のフォローもなく、その電話が終わればそれでおしまいということになります。
 単なる「クレーマー」なら、納得して引き下がってもらえば終わりですが、せっかくの「宝の山」を見逃すことにもなりかねません。

 他方、きちんと「お客様」と考えている会社・組織は、それなりに教育を施してお客様の要望にこたえられるように知識を持った人をおいて、その状況をある程度判断できる人を窓口に置きます。
 そうすると、確かに単なる「クレーマー」への対処は「時間の無駄」なのですが、一方では、貴重な意見を、自社・自組織にフィードバックさせてゆくことができます。

 ちなみに、各単位弁護士会には「市民窓口」という、いわば「お客様窓口」をおいています。
 会所属の弁護士に対する「不満」を聞くことになりますが、もちろん「クレーマー」は適当にあしらい、「これは早く手を打たなければ大騒ぎになる」と判断すれば、副会長などに報告することも含めて措置をとります。

 市民窓口の相談件数の多さは、弁護士大増員が関係しています。
 まず、弁護士が増えることによって、弁護士の質が落ちてきました。
 また、弁護士の競争が激しくなってきましたので、仕事の質(どれだけ早く取りかかるか、どれだけちゃんと仕事をするか)も落ちています。過大報酬の請求をする弁護士も増えてきました。
 残念ながら、依頼者や成年後見人のお金に手をつける弁護士も増えてきました。
 確実に、依頼者と弁護士との紛議はふえています。

 昔は、弁護士に比較的余裕がありましたから、ある程度の質の弁護士が、市民窓口、綱紀、懲戒の担当をすることは無理を言えば可能でした。
 しかし、弁護士数増加のため、従来の売上を維持しようとすると、小さな事件を受任しなければならず、かえって弁護士が「多忙」となって、質のいい弁護士が、市民窓口担当(無報酬だと思います)、綱紀、懲戒(少し日当が出ますが、金額からして実質的に無報酬です)など無報酬の仕事をする余裕がなくなり、どうしても、担当弁護士の質が落ちてくるという悪循環になっているようです。
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