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2023年バックナンバー

雑記帳

健康保険証のなりすまし被害

 健康保険証のなりすまし被害については、大きな事件(外国人の女性が妹の国民健康保険証を利用して総額1000万円以上の治療を受けていたり(平成30年8月発覚)が報道されるだけで、実数は分かりません。
 ただ、健康保険証には顔写真がないので、犯罪を犯そうと思えば簡単です。

 また、健康保険証は、スマートフォンの契約にも悪用されていました。
 健康保険証で他人になりすまして特殊詐欺用の電話を契約するというやり口で、特定のキャリアではなく、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3キャリア全てでおきていました。

 これらのキャリアでは本人確認書類として健康保険証(+現住所を確認するための補助書類)を使うことができたのですが、これを暴力団などの反社会的勢力が悪用し、他人の健康保険証でスマートフォンの契約をするということがありました。

 もともと反社会的勢力は暴力団排除条例によりスマートフォンの新規契約ができませんが、他人になりすまして契約したスマートフォンは特殊詐欺で使われるようになりました。
 この場合、警察が電話番号を手がかりに犯人を追跡しようとしても、契約している人物はなりすまされた他人のため肝心の犯人にたどり着けないという深刻な事態となっていました。
 令和5年5月にドコモとKDDI、6月にソフトバンクが、本人確認書類として健康保険証の取り扱いをやめています。
 各キャリアともに終了の理由は「契約者本人の意図せぬ不正な契約締結や不正利用などの発生」を挙げています。

 すでに大手キャリアが本人確認書類としての取り扱いをやめたため、これからは被害は減っていくと予想されますが、楽天モバイルや格安SIM(MVNO)など、まだ健康保険証を取り扱っているところもあるためゼロになるわけではありません。

 警視庁によると、令和4年の特殊詐欺の被害額は約361億円、認知件数は1万7570件です。
 これらのうち、なりすましのスマートフォンで行われものも含まれます。

 健康保険証をマイナンバーカードに統合すべきかどうかは別として、健康保険証を利用するときは、免許証やパスポートやマイナンバーカードを併用することは必要でしょう。
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