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2023年バックナンバー

雑記帳

日本沖で操業、持ち帰れば「中国産」

 東京電力福島第一原発の処理水放出が始まり、中国への日本産水産物が全面禁輸となってから、令和5年9月24日で1カ月となりました。

 日本の東方沖合の北太平洋ではこの間も、中国の漁船が日本の漁船と同じ海域でサンマ漁などを続けています。

 朝日新聞が、船舶に搭載された「船舶自動識別装置(AIS)」の信号から洋上の位置や操業状況を特定できる「グローバル・フィッシング・ウォッチ(GFW)」で北太平洋上の中国船の活動を調べました。
 中国船が多数確認できたのは、北海道根室市から約1000キロ沖の公海です。
 サンマやサバ、イワシなどの漁が行われる北緯40~50度、東経150~170度の海域です。
 令和5年8月3日時点でこの海域に中国船は156隻。令和5年9月19日にも162隻が確認できたそうです。
 処理水放出をはさんだこの間、1日当たり146~167隻と大きな変化はありませんでした。

 水産庁も、同様の傾向を把握しています。
 中国船の数は前年同期とほぼ同水準だそうです。
 水産庁は資源管理のため各国の漁獲量を確認していて、中国などの漁船が今夏以降もサンマ漁をしていることを把握しています。

 処理水が危険だと主張する中国は、「消費者の健康を守るため」などとして、令和5年9月24日から日本産水産物の輸入を全面禁止にしています。
 日本漁船がこの海域で取ったサンマなどの水産物は日本で水揚げされると日本産となり、中国には輸出できません。
 しかし、中国漁船が同じ海域で取った水産物を中国で水揚げすれば中国産として主に中国国内で流通することになります。

 中国が日本産水産物が全面禁輸としているのは、政治的理由であることがはっきりします。
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