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2023年バックナンバー

雑記帳

説明責任

「証明責任を果たせ」「説明責任を果たせ」ということがよく言われています。

 昔は「アカウンタビリティー」(Accountability)という外来語がそのまま使用されていましたが、今は、訳文の「説明責任」「説明責任」が使われています。

 もともと訳語で、accuntableは「責任がある, 申し開きの義務がある(toをつけると「人」に対して、forをつけると「物事」について)」という意味で(「・・できる」ではありません)、むしろ「responsible」より強いニュアンスがあります。
 その名詞形です。

 「アカウンタビリティー」(Accountability)は、元来は、アメリカにおいて、よく使われるようになった言葉で、1960年代以降、政府のような公共機関が、納税者であり、かつ主権者である国民に対し「公金の使用説明」があるという声が強くなりました。

 さらに、国などにとどまらず、株式会社が出資者で株式所有者である株主に対し、資産の使途について説明するように拡大されたました。

 そして、さらに、説明が求められる主体が、広く社会に影響を持ちうる活動を行う団体・個人に拡大し、説明する内容が、金銭の使途に限られず、活動内容、合理的理由などに拡大し、説明をなすべき対象者が、出資者のみならず、従業員取引先など利害関係者(ステークホルダー)まで拡大されるようになりました。

 日本でも、基本的に同じ意味ですが、政治家の不祥事事件などについて「説明責任を果たせ」「説明責任の果たし方が不十分だ」などとの大合唱がおきますね。

 なお、弁護士、医師、税理士などの専門職も、「説明義務」を負担します。
 事件を受任するにあたり、また患者を診察・治療するにあたり、その内容や利害得失について、依頼者・患者や家族に十分に説明する責任(説明義務)も、近年、重要性を増していて、これに違反した(説明義務違反)として損害賠償の支払いを命じる裁判が急増しています。

 医師は、結構昔から、治療にミスがなくても、あるいは、死亡することは不可避であっても、「説明義務違反」で損害賠償責任を負うという判例がずっと前から存在していました。
 白い巨塔には、昭和42年の田宮二郎バージョン、平成15年唐沢寿明バージョン、平成31年岡田准一バージョンが有名ですが、唐沢寿明バージョンの白い巨塔の控訴審の流れが変わったきっかけも説明義務違反でしたね。

 弁護士も、当然、法律専門職として「説明義務」を負っていて、怠ると損害賠償責任を負わなければなりません。

 訴訟にまでなっている例は、例えば大阪地方裁判所が民事26ヶ部のうち3ヶ部も医事部なのに比べてわずかですが、もちろんあります。そのうち、増えるのかも知れません。

 少し利口な弁護士は、要所要所で、依頼者からの書面(電子メールを含む)を保管していますし、テープをとっています。
 そのうち「取り調べの可視化」どころか「法律相談のテープ録音」をしなげばならなくなるかもしれません。
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