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2023年バックナンバー

雑記帳

平均余命と勤労可能年数

 平均寿命という目安があります。

 日本人の場合、女性は世界1位、男性は、スイスに次いで世界2位です(令和4年)。

 長寿国のうちで、日本は、比較的「自殺」多くいです。また、その中に「経済的な理由を原因とする」「自殺」があります。
 自殺による死亡は年間2万1881人(令和4年)で先進主要国(G7)でトップ、交通事故による死亡者は2610人(令和4年)(交通事故による死亡は、事故後24時間未満に死亡した事案のみ)です。

 そこで「簡易生命表(令和4年)」 を見てみましょう。

 よくある勘違いが、自分の年齢をみて、平均寿命と比べ「平均寿命-自分の年齢=あと何年生きられるか」とするものです。
 しかし、平均年齢まで生きている人は「0」でしょうか、平均年齢以上に生きている人は「マイナス」=「もつと以前に死ぬべきであった」でしょうか。そんなことはありません。
 平均寿命は、0歳の日本人が、これからどれだけ生きられるかを示したもので、これまで生きている人は、たとえば、危険な出産時、嬰児期などを生き抜いているのですから、もつともっと長く生きられるはずです。

 令和4年の平均余命表の自分の年齢の「余命」を見るのが正解です。
 この表では5年刻みですが、1年刻みの表もあります。

 交通事故では、1年刻みの表を使います。
 基本的に、交通事故の場合「いくつまで働ける」とされるているかご存じでしょうか。
 最近の年金支給の遅れを「織込んだ」わけではないでしょうが「67歳」です。
 これは、私が、法律の勉強をはじめた昭和50年から変わっていません。
 死亡時、あるいは、症状固定時(これ以上、良くならないと診断された時点)から67歳まで何年かを計算し、その年数に応じたライプニッツ指数(複利による将来の価値を現在の価値にひき直した数字)をかけて計算します。

 ところが、67歳以上の人は「0」でしょうか。
 また。67歳に近い人は、67歳で打ちきりでしょうか。
 そんなことはありません。
 死亡時、あるいは、症状固定時から67才までの年数が平均余命の2分の1より短くなる高齢者の労働能力喪失期間は、原則として「平均余命の2分の1」として計算するのが普通です。
 つまり、そこまで元気に働いてきたのだから、余命の半分くらいは「健康に働けますよ」ということになります。
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