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2023年バックナンバー

雑記帳

ウクライナ、アメリカ供与の長射程ミサイル「ATACMS」初使用

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、令和5年10月17日、旧ツイッターへの投稿で、アメリカから長射程の地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」の供与を受けたことを明らかにしました。

 アメリカのメディアは、ウクライナが同日にロシア軍に対して初めてATACMSを使用したと報じました。最大射程165kmのATACMSで(アメリカには、最大射程300kmのATACMSがあります)かつ、ロシア本土は狙わないと合意されているようです。

 ATACMSは射程約160〜300キロで、高機動ロケット砲システム「ハイマース」から発射でき、前線のはるか後方にあるロシア軍司令部を攻撃することが可能とされます。
 ロシアは提供を「レッドライン」だと警告していました。
 「レッドライン」という言葉を乱発すると、信用性がなくなります。

 アメリカメディアはウクライナ軍高官の話として、ロシアが占領するアゾフ海沿岸のベルジャンシクと東部ルガンスク州に対し、18発のATACMSを使って攻撃したと報じています。
 通常よりも射程が短く、親爆弾から多数の子爆弾をまき散らすクラスター弾を使用しています。
 クラスター弾は、通常の弾頭に比べて、重量に対する制圧面積が広いという特徴があります。もっとも、残留した不発弾が爆発する恐れがありますから、戦後復興に影響する場合もあります。ただ、ウクライナ軍が、ロシア占領下のウクライナの国土にクラスター弾を発射するのは「自己責任」の範囲でしょう。

 ロシアへの反転攻勢を進めているウクライナ軍にとって、効果的な武器となります。
 逆にいえば、ウクライナの反転攻勢は難しくて、うまくいっていないのでしょうね。
 ウクライナの将兵の損耗は激しいようです。
 特に、訓練の必要な士官クラスが不足して、促成栽培の士官が、現地で指揮にあたっているそうです。
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