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2023年バックナンバー

雑記帳

韓国の高齢者就業率の高さ

 韓国の統計庁は、令和5年7月27日、「経済活動人口調査 高齢層付加調査」の結果を発表しました。
 それによると、韓国では65歳~79歳の4割強が就業しており、就業の最大の理由は生活費の補填という経済的な理由でした。

 現在まで最も長く働いた職場の平均退職年齢は49.3歳(男性51.2歳、女性47.7歳)、平均勤続年数は15年2.1か月(男性18年9.1か月、女性11年6.1か月)でした。びっくりするくらい短いですね。

 就業率(人口に占める就業者数の割合)は55~64歳が67.1%、65~79歳が42.4%となりました。
 中高年の高い就業率は、生活するのが難しい年金支給額とも関連があります。
 60歳~79歳の年金(公的年金、個人年金保険)受給者の割合は64.9%、年金を受給している場合の月間平均受給額(55~79歳)は64万ウォン(1ウォン=約0.11円)です。性別では男性は83万ウォン、女性は43万ウォンです。
 60歳~79歳の年金無受給者が35%、受給者でも、男性9万1000円、女性4万7000円ということになります。
 物価が日本とさほど変わらない韓国で年金のみで生計を維持するのは無理ですね。

 現在、就業している人のうち、今後も働きたいと回答した人の割合は93.1%で、その理由は「生活費を補うため」58.7%、「働くのが楽しいため」33.2%、「退屈なので」3.8%の順で、生活費確保のためとの回答が圧倒的に多かったそうです。

 生活費不足を裏付けるのが、韓国の高齢者層の貧困率が先進国の中で特に高い事実です。 OECDによりますと、韓国の66歳以上の相対的貧困率(その国の生活や文化を基準にした貧困率)は令和2年時点で40.4%で、これは、OECD加盟38か国で最も高い水準です。
 ちなみに、日本の66歳以上の相対的貧困率もかなり高く、20%(令和元年)だそうです。

 また、韓国の少子高齢化は、急速に進んでいます。1970年に4.53だった合計特殊出生率は、1984年に2.0を割り込み、2018年に1.0をそれぞれ割り込み、2022年には0.78まで落ち込んみました。
 2023年には0.6台まで落ち込む見込みです。
 他方、1970年に71.7歳だった平均寿命(男女計)は着実に伸びています。
 2000年76.0歳、2010年80.2歳、2021年時点では、83.6歳です。

 出生率の低下は生産年齢人口に影響を及ぼします。
 かつて増加が続いていた生産年齢人口は、2019年の3763万人をピークに減少に転じています。
 韓国は、豊かになる前に没落していくようです。


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