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2023年バックナンバー

雑記帳

国民年金の免除制度

 正規雇用の場合は、通常、厚生年金が天引きされていますから、国民年金は負担する必要がありません。
 自営業者の場合、国民年金を負担します。
 問題は、非正規社員ですね。

 国民年金を支払う余裕のない人、リストラや雇止めにより、職を失った人は、国民年金の免除制度の利用をお勧めします。
 免除制度を利用しないまま、未払を続けていくのは危険です。

 老後に老齢年金を受給するためには、国民年金や厚生年金などの加入期間が10年以上ないといけません。つまり、9年11カ月の間、年金保険料を納めたとしても、老後の年金額は0円ということになります。

 年金は老後のためだけではありません。病気や怪我によって法令で定められた障害状態になれば、「障害年金」が支給されます。
 また、死亡した場合、18歳以下の子どもがいる場合は「遺族年金」も支給されます。

 国民年金での障害基礎年金は、障害1級で年間97万4125円(令和5年4月より)で、遺族基礎年金は、子が一人の場合は年間122万2450円(令和5年4月より)です。
 これらの受給は、きちんと国民年金に加入していないともらえません。

 私の依頼者ではありませんが、事件の相手方の妻が、年金未払のため、障害年金が1円もでなかったと嘆いていた事例があります。
 国民年金保険料が免除される所得基準。前年(もしくは前々年)の所得で判断されます。

 また、家族構成によっても基準が変わります。
 例えば、夫婦2人の世帯であれば、92万円の所得で全額が免除、195万円の所得で半額免除が受けられます。
 判断基準となる所得ですが、前年(または前々年)のものが対象となります。
 所得は、収入から扶養親族等控除額や社会保険料控除額などを引いたものです。
 所得について、本人だけでなく、配偶者や世帯主の所得も所得基準の範囲内である必要があります。自分自身の収入がなくても、他の家族に収入があれば免除が許可されないということもあります。
 免除されている間は、年金加入期間(現在は10年が最低)としてカウントされます。
 また、将来の老齢年金の受け取れる年金額も少しは増えます。
 例えば、全額免除でも、保険料を全額払った場合の2分の1は支給されます。平成21年3月分までは3分の1でした。
 基礎年金の国庫負担が平成21年4月から、3分の1から2分の1に引き上げられました。それにともない、全額免除での年金支給は、3分の1から2分の1に引き上げられました。さらに、免除の効果が高くなったわけです。

全額免除 年金額1/2 (平成21年3月分までは1/3)
4分の1納付 年金額5/8 (平成21年3月分までは1/2)
2分の1納付 年金額6/8 (平成21年3月分までは2/3)
4分の3納付 年金額7/8 (平成21年3月分までは5/6)
 国民年金は、未納ではなく、免除の手続きをとるのが賢明です。

 なお、私は、自己破産をする依頼者には、生活保護受給者、高齢者を除き、すべて国民年金免除手続きをとるように指導しています。
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