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2023年バックナンバー

雑記帳

水産物禁輸、解除見通せず 中国で「日本離れ」日本で「中国離れ」

 中国政府による、日本産水産物の禁輸が解除される見通しは立っていません。
 令和5年11月中旬にアメリカで行われた日中首脳会談で、習近平国家主席は岸田文雄首相に対し、処理水放出を巡る批判を展開しました。
 従来の主張との整合性もあり、貿易の正常化は当面難しいでしょう。

 こうした中、中国では仕入れ先を日本以外に切り替える「日本離れ」の動きが進んでいます。
 中国の水産業者が、マグロの仕入れ先を地中海産に変更したりしています。
 令和5年11月に上海市で開かれた国際輸入博覧会ではオーストラリアやロシアが自国産魚介類の売込みに力を入れています。
 韓国や香港からの輸入額は前年に比べ増えています。

 こうした中、日本では水産物の売却先を中国以外に切り替える「日本離れ」の動きが進んでいます。
 貿易先として、米国とインドに関心を寄せる企業があるそうです。
 その理由はこの2国は、中国からの圧力に屈しない国であるため、中国リスクヘッジになるためとのことです。

 日本企業は投資先や貿易先を多角化すべきですが、中国との距離感を考えることも経済安保の観点から重要です。
 中国依存が高い国で中国の言動に振り回されることが増えているなか、国際情勢を見極めた対応が求められています。

 また、中国から距離を置くことは、長期的に見れば必ず日本の国益に適います。
 他の分野でも是非とも中国離れを進めることが賢明です。


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