本文へ移動

2023年バックナンバー

雑記帳

積極的抵触と消極的抵触

「積極的抵触」と「消極的抵触」という言葉があります。

 ポピュラーなのは国籍ですね。
 「積極的抵触」は、家族関係が複雑な場合、法の要件をあてはめると、父母の国籍・生地などで二重国籍になることで、逆の「消極的抵触」は、どこの国籍も取得できない、つまり無国籍になることです。

 日本の国籍法では、消極抵触で無国籍になることは通常ありません。
 父親か母親の国籍を選択できますし、日本で生まれた子の父母が、ともに判らない、または、父母が共に国籍がないときは日本国籍を取得します。

 また、二重国籍も、戸籍法14条1項で「外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなった時が20歳に達する以前であるときは22歳に達するまでに、その時が20歳に達した後であるときはその時から2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない」と定められ、11条2項「外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う」、15条1項「法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条(14条)1項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる」、15条3項「前2項の規定による催告を受けた者は、催告を受けた日から1月以内に日本の国籍の選択をしなければ、その期間が経過した時に日本の国籍を失う」という規定で、二重国籍を排除する仕組みを持っています。
 建前にすぎないことが、蓮舫議員で露見しました。

 二重国籍が「得か」というと、たとえば、スイス、韓国のように徴兵制のある国の国籍をもっている男性は、兵役につかなければならないことがありますから、必ずしも有利とは限りません。
女性は通常二重国籍は損ではありません。

 法律など難しいことは別として、積極的抵触と消極的抵触がわかりやすいのは、野球で、野手2人(以上)がボールを取りに行こうとして野手どおしが衝突するのが積極的抵触、野手2人(以上)が、別の野手がボールを取ると思って誰もとらず、グラウンドにぽとり。いわゆる「お見合い」が消極的抵触ですです。
「お見合い」は、せいぜい1点2点はいるということですが、衝突すると選手が大怪我でシーズンを棒に振るということもありえます。

 あと、ポピュラーなところでは、たとえば、コンピュータとプリンタを別メーカーにすると、コンピュータのサポート係で「プリンタが悪い」、プリンタのサポート係で「パソコンが悪い」と「責任の押付けあい」にされる消極的抵触があります。
多少高くても、コンピュータとプリンタを同一メーカー(通常どちらかがOEM)にしておけば、いずれにせよ自社が悪いわけですから、「責任の押付けあい」の危険は避けられます。
不愉快な目をすることが嫌なら、同一メーカーに統一しておくのが賢明です。
TOPへ戻る