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　韓国の統計庁が人口動態予測を更新しました。
　それによりますと、令和５年の合計特殊出生率は０.７２、令和６年には０.６８、令和７年に０.６５との予測です。
　先進各国の合計特殊出生率は、１．２〜１．６くらいの範囲でおさまっています。
　令和４年の日本の合計特殊出生率が１．２６です。
　台湾にしても、１前後です。
　やはり、異常ですね。
　退陣間近の、どこかの国の首相の言葉を借りれば「異次元の少子化」ということでしょうか。

　韓国は、医療水準がそれなりに高度ですから、日本には及ばないものの、世界的に見てトップクラスです。
　ということは、日本と同じく、少子高齢化という問題をかかえています。

　日本も他人様のことはいえませんが、少子高齢化のため、生産年齢人口の割合が減る一方です。
　韓国では、６０歳～７９歳の年金（公的年金、個人年金保険）受給者の割合は６４．９％にすぎません。約３分の１が無年金です。
　約３分の２にあたる年金を受給している場合の月間平均受給額（５５～７９歳）は男女通算で６４万ウォン（約６万１０００円）、性別では男性は８３万ウォン（約８万１０００円）、女性は４３万ウォン（約４万１０００円）で、物価が日本とさほど変わらない韓国で年金のみで生計を維持するのは無理ですから、働かざるをえないことになります。

　ちなみに、韓国の生活保護の現金給付月額は約４９万ウォン（約４万７０００円）で、受給権者の年金と大差がありません。

　年金制度の発足が遅く、年金制度が機能する前に、少子高齢化のために老人大国になってしまったということですね。
　韓国の老人大国化により、国民年金受給者が急増し国民年金枯渇時期は前倒しされます。
　健康保険など他の社会保険も同様です。
　国の財政は悪化し、根本的に現在のような財政・福祉構造が持続可能なのかに対する疑問も提起されます。

　もとより、日本と同じ悩みを持ちますが、日本はストックを蓄えてから老人大国になったのに比べ、韓国は、ストックどころか借金体質のまま老人大国になってしまっただけに、悲惨です。